■理事長も踊る武者祭
8月2日の朝起きてみたら雨が降っていた。 晴れ男の私でも1年中を通して『晴れ』というわけにはいかない。時々、強く風も吹いていて、今日の祭が開催されるかどうか心配になってくる。
夕方の6時から始まる祭の山車の出発に間に合うように山を降りる。
幸いなことに、町が近付くに連れて、雨が少なくなって来た。
チロルの向かい側の原っぱに車を止めて、歩いて駅前に向かう。
そこには出発を前に多くの山車と踊り手が集まっている。
6時になり知り合いのK宮司の祝詞に続き、菊谷市長の挨拶、N道議の祝辞、関係者の挨拶と延々と続き、なかなか出発しない。
祭というのは市民が楽しむものだから、挨拶は無い方が良い。
6時30分になって、やっと出発した。
先頭はいつものように、この町を代表する旦那衆である。
武者祭実行委員長のOさんを初め、建設業のKさん、会計士のSさん、不動産業のKさん、蕎麦屋のAさん、そして金物屋のHさんは子供を抱いての行進である。
先回りして町の真ん中で山車を待つ。
天気予報が雨の影響で、人出は例年の3分の1くらいと寂しい。
伊達信金の山車が来た。
壮瞥町の支店長が綱を引いている。
踊り手には知り合いが多くいる。
最後尾でR理事長が踊っている。
Rさんは挨拶の台にも立たず、踊りも目立たないように最後尾である。いつも目立つ仕事をしているので、こんな時には控えめなRさんだ。
でも、年には勝てないのか、疲れで顔がゆがんで見える。
(おまけの話)
2番山車の一番前の踊り子は看護師のKさんだ。
彼女はイコロ農園クラブのメンバーで、自分の畑も管理している。いつもは夜勤明けにやって来て、デメン姿で畑の草を取っている。
若い女性なので、みんなが親切に農業指導をしている。
若い女性というだけで得をしている。
この世の中でジジイで得をすることはない。
最近の若者は電車で席も譲ってくれないのだから・・・・。
そのKさんが踊りとなると素晴らしい才能を発揮している。
デメンの時はいつも前屈みの姿勢であるが、踊りは前に後ろに右に左にと縦横無尽に踊り狂う。
行列の一番前で踊っているのは病院で役職が上なのか、踊りが上手なのかは分からない。この町の踊り手はみんなプロみたいだ。
全身が汗まみれになって踊っているKさんは美しい。
デメンを一生懸命にやっても前屈みだから目立たないが、踊るKさんを見て、これが同じ人かと驚いた。