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[2008.08.21]
■田圃の天敵と戦う
イコロ農園倶楽部の理事長になってしまったからには、農作物に付いて責任を持たなければならないなんて考えるようになってしまった。 
イコロ農園クラブのメンバーは誰もそんなことは期待していないとは分かっているが、引退後に責任の無いことばかりしていると、たまには責任も持ちたくなるから不思議だ。 


先日の報告のようにジャガイモは全滅だった。 
Tさんは畑に残ったジャガイモを掘り出す元気も無い。 
彼はいつも無心になって機械で雑草を刈っているが、それが合うようだ。 
ある時、私はTさんに聞いた。『なぜ雑草を刈るの?』 
この質問にTさんはうろたえた。 
あまりに当たり前のことだからだろう。 
この農園は無農薬での栽培を行っているので、雑草は常に刈っていなければならない宿命にある。 
 
ただ、同じ刈るなら収穫に関係のある雑草を刈った方がいいと私は思う。 
Tさんは農園が綺麗に見えるような場所の雑草を機械で刈る。私は収穫に関係のある田んぼのひえの除去やスイカの周りの雑草を手で抜く。どちらが大変かというのは難しい。 
試しに私は機械で雑草を刈ってみたら、それが原因で帯状疱疹になってしまったのではないかと思っている。 
 
私はイコロ農園に行ける日はいつも田圃の天敵のひえを抜く。稲がどんどんと伸びて来ているので、田圃に入るのも難しくなる。 
お盆の頃には遂にひえが稲の高さを越えて伸びてしまった。 
 
 
取っても取っても、まだまだ沢山ある。 
暑いし、もう止めたいが、なんだか非常にひえに腹が立ち、止められない。取り終わるまでに、ひえの穂に実が入ってしまったら私の負けだ。 
負けたくないが、今のところ不利な戦いをしている私だ。 
 
 
(おまけの話) 
Tさんも私も農業の経験は無く育った。 
ただ東京育ちの私の場合でも、小学生の頃は周りに畑があった。 
Tさんは『私が農家の出だったら、イコロ農園はやっていない』と言う。 
なぜ、引退して伊達まで来て、こんなことをしているんだろうと疑問に思う時が度々ある。 
女房はもっと思っているに違いない。 
人は特に理由もなく厳しい労働をすることもあるのである。 
米やスイカが欲しいのじゃない。 
それは買えばいいのだから。 
 
無心にひえ取りをする精神状態は仏像彫刻をしている時に似ている。 
いまや無心になりたくてひえ取りをしているのかもしれない。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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