■新たな天敵に負けた
テレビのニュースを見ると全国的に洪水のニュースが流れている。 幸いに留守宅の我が家は出水の心配は無い。
でも、中央高速道路が通行止めになったり、高尾で電車が脱線したりして、かなりの被害が出ている。
伊達市も例年より雨が多い。毎日のように降っている。
その為に湿気も多く、ここ数日は例年のような快適さが無い。
雨が上がったので、久し振りにイコロ農園に行ってみた。
田圃を見に行って驚いた。
あれだけ熱心に取った『ひえ』が一面に生えている。
少ししゃがんで見ると、稲穂の上からひえだけが顔を出している。
今までのひえ取り作業を無駄にしたくないので、嫌だが田圃に入る。
もう種を付け始めたひえを抜いて、そこに捨てると、来年になって生えて来る恐れがあるので、ひえの穂だけ引き抜いたらバケツに入れる。
この作業を延々とする。
見た目には全然、『無くなった』という風には感じられない。
嫌気が差して来たのでTさんに、『今までのひえ取りは少しは役に立っているのだろうか?』と聞いたら、心優しいTさんは、『橋本さんが抜かなければ、今頃はコメよりひえの方が多くなっていますよ』と、嬉しいことを言ってくれた。
その言葉に勇気づけられて、またひえを抜く。
途中からK会長も加わるが、オーナーのTさんはいつも参加しない。
気が付いたら、100羽以上の雀が稲穂に止まって新米を食べている。
頭に来て、石を投げても、その時は逃げるがすぐに戻る。
大声を出しても同じである。この天敵には私も打つ手が無い。新たに加わった天敵にはどうやっても勝てないと知った。悔しい。
農業というのは『努力が報われる』とは限らないのだ。
(おまけの話)
1本の稲穂に付いている米の数を数えてみた。
約60粒が付いている。これはイコロ農園の稲穂のことで、標準的な稲穂の数は分からない。
誰か知っていたら、教えて欲しい。
雀は人間に襲われないように、田圃の端の方で新米を食べている。
1羽が1日に100粒を食べると、100羽では10000粒である。これを刈り取りまでの30日近くを食べ続けられると、300000粒となる。
お茶碗に盛ったご飯は、普通の大きさの茶碗だと7000粒くらいある。
それから換算すると、イコロ農園の新米は雀にお茶碗43杯分も食べられてしまうことになる。
悔しいが、どうにもならない。
(おまけのおまけ)
写真の黒覆面は虫よけの為のネットである。
茶碗1杯の米の数は、炊く前に実際に私が数えたものである。