■早起きは三十文の得
ゴルフ場の朝は早い。 午前4時を過ぎると、もうグリーンキーパー達は作業機械を使って芝生を刈り始める。私もそれにつられて目が覚めてしまう。
ここに居ると季節の移り変わりが手に取るように分かる。
今年は急に寒くなったせいか、キノコの出るのが例年より1ヶ月ほど早い。
そこで、午前5時過ぎに市内のK社長に携帯メールを出した。
『6時半にキノコを採りに行きませんか?』・・・と。
すると返信があり、『入場料を払わないでゴルフ場に入るのは法令違反ですから、私は行けません』と冗談メールがあった。
ところが、6時過ぎにK社長はコテージに現れた。
6時半に約束していたK会長が現れたので、3人でキノコ採りに出掛ける。
私のカートに3人で乗って、ゴルフ場の秘密の場所に行く。
ところが、期待していたほどのキノコが無い。
らくようモドキとか、毒キノコは山ほどあるが、お目当ての『らくよう』が無い。
前方に人影が見えた。
近付くとゴルフ場の知り合いの従業員で、籠一杯のらくようを採っていた。次回は雨の後の早朝に、もっと早い時間に行こうとみんなで決めた。
それでも、朝食用になるくらいのらくようが採れて、まあ満足である。
(おまけの話)
『早起きは本当に三文の得か?』という疑問がある。
その前に『三文とは現在の貨幣価値でいくらか?』という疑問もある。
これを調べてみると、どうやら『三文は100円相当』らしい。
そうなると、『100円の為に早起きするか?』という疑問も湧く。私は100円では早起きしない。
今回の早起きでは、らくようが両手で持ち切れないほど採れた。
松茸の採れないこの辺りではらくようはキノコの王様である。両手一杯くらいで、1000円はすると思う。
味噌汁にして食べるらくようほど美味しい物は無い。
それから考えると、今回の早起きは『30文の得』と言えるだろうと思う。