■異常気温の小樽を行く
東京に戻っていた女房が休みを取った娘を連れて戻って来た。 その娘の希望を入れて小樽運河を見に行くことになった。
私は小樽に行ったことがあるかどうか覚えていない。
女房は『行った』と言っていたが、いざ小樽に着いたら、『初めて来た』と、かなりいい加減である。
先ずは運河に出てみる。『大した物じゃない』というのが印象である。
次に歩いて北一ガラス館へ行ってみる。
遠いし、暑い。周りはお土産屋だらけだ。
どうして観光地というのはこうなるのか?
観光地に求める物は人により違うが、私はお土産屋は要らない。
暑くて堪らないので、そこにいたタクシーに乗る。
その運転手は愛想が良い上に商売上手で『小樽に来たら、旧青山別邸見学がお勧めです。近くに美味しい海鮮料理屋もありますよ。往復と私のガイドで5300円でどうですか?』と誘われて、暑いので乗ってみる。
町を離れて北に向かう。
岬の外れで遠くからニシン御殿を見る。
その運転手のガイドは慣れていて、非常に分かり易い。
少ししゃべり過ぎるのが難点だが、まー仕方ないか。
食事の後に行ったニシンで儲けた旧青山別邸は素晴らしい。
今のお金で30億円くらい掛けた贅を尽くした建物であった。
ニシンで儲けた話は作詞家の『なかにし礼』の書いた本『兄弟』に詳しく出ているので、ニシンで儲けた人の家は非常に興味があった。
昔のニシンの網元は安い労働者を使って大儲けしたんだなーと思う。
観光をするなら、小樽は運河より旧青山別邸の方がいい。
帰ってからテレビで知ったが、その日の小樽はこの夏最高の30.5度という暑さだったそうだ。
道理で暑かったわけだ。
(おまけの話)
一般道で小樽に向かう時は、車は洞爺湖の北側を走る。
仲洞爺辺りの地面に何か落ちている。
車に轢かれたグレーと赤っぽい色が見えた。
走りながら気を付けて見ると、なにかの木の実のようだ。
先を急ぐので、小樽からの帰り道に本格的に拾うことにする。
そして帰り道に袋を用意して、車を停めて3人で拾う。
あちらこちらに沢山落ちている。これを拾うのがなんとも面白い。スーパーのレジ袋に2つにもなった。
ゴルフ場のフロントで、『これは何ですか?』と聞いてみる。
すると『これはトチの実です。灰汁抜きが大変で、皮を剥き1晩水に浸けておいてから調理するものです』と言われた。
こんなに大量のトチの実の皮剥きは出来ない。
道理で『往きに落ちていた実が帰り道にもそのまま落ちていたわけだ』と納得した。
やはり、世の中はそんなに甘くなかった。