■畑のベンツに乗る
以前にかなり古いトラクターでの作業の話を書いた。 今回は予告通りに、『オートマチック』、『パワーステアリング』、『エアコン付き』のトラクターの話だ。
このようなトラクターは『畑のベンツ』と言われているほどで、非常に高価だ。定価で1000万円はする。後ろに付ける作業用の装置がまた高く、7~8種類の作業をする道具を揃えると、すぐに1000万円を越える。
Tさんの嫁さんの実家が花農家を経営している。
そこからの縁で近くの大きな農家にオートマ、パワステ、エアコンのトラクターがあることが判った。
Tさんが嫁さんの実家に電話したら、嫁さんの兄貴は『乗ってどうするの?』、Tさん『ただ乗りたいという人が居る』、義兄『変な人が居るねー』と大笑いだったそうだ。
私はただ乗りたいという純粋な気持ちだ。
この辺りの人にとってはトラクターというのは風景の一部で、何も感じていないようだ。
清住町のSさんがトラクターを用意してくれた。
近くの牧草地まで運んでくれて、そこで操作を教わる。30年前のトラクターより操作は複雑だ。
クラッチを踏み込み、ハンドルの左手にあるレバーで前進・後退を選ぶ。
次に右手にあるレバーで4段階の中から速度を選ぶ。隣にあるレバーで更に速度を選ぶ。16段階の速度が選べる。すると走り出す。
作業によって違うが、走行速度は15キロくらいか。
牧草地の広さは7反ある(2100坪)。トラクターの後ろに付けた肥料タンクのスイッチを入れると、肥料は回転翼で6メートルくらいの広さに撒かれる。
往復3回くらいで7反の肥料撒きは終る。わずか15分だ。もっとやりたかったが、もう撒く場所が無い。
Sさんに聞いた。『このトラクターでの作業は楽しいでしょう?』、Sさんは怪訝な顔で、『仕事だから、楽しいとかと聞かれても考えたこともない』
今度はもう少し複雑な、芋掘り作業なんかやりたいなー。
(おまけの話)
8月2日に壮瞥町のゴルフコンペに誘われた。壮瞥町とは伊達市の隣町である。ゴルフ場は早来のANAダイアモンドGCで、農家のIさんとクマ牧場のI社長と一緒にプレイした。
その日は橋本聖子議員のゴルフコンペが開催されていて、森喜郎元総理も来ていた。彼はゴルフ場での姿は、半ズボンで、今や輝くものもなく、普通のオッサンだった。