■藤田嗣治の版画を見て、SPF豚を食す
コテージに居ると色々なことでお声が掛かる。 この町では我々夫婦はパンダみたいなものだからだ。
今日はSPF豚を食べる会に呼ばれた。
SPF豚とは無菌状態で育てられた豚のことで、今日はそれをシャブシャブで食べるという。
伊達市在住の内科医のI先生が豊浦町の患者さんが飼育しているSPF豚に惚れ込んで、それを皆に食べさせたいという企画だ。
I先生はお料理が趣味である。そうなれば伊達市のグルメが呼ばれる。
参加者はN画伯夫妻を筆頭にロシアからのモデルのユーリア(彼女の話を書く機会があれば別の時に)も含めて15人ほどである。
ゴルフ場内のパークゴルフ場のハウスで午後7時から試食会は始まった。
メニューはSPF豚のシャブシャブ、刺身、つけ合わせ、I先生の手作りの蟹サラダ、私の女房の持参した寒天と桃のデザート、飲み物は各自持参である。
ワインが好きなN画伯は飲み出すと止まらない。
次々とワインの栓が抜かれる。私はそれを横目で見ながら烏龍茶だ。
終盤になり参加者が次々とSPF豚の感想を述べることになったが、SPF豚を持参したI先生が先頭に立って酔っているのだから、みんなの話も豚から逸れてしまう。
それでも私だけは密かに、思いっ切りSPF豚のシャブシャブを堪能して、宴会は10時を過ぎて終ったが、ワイン組は終らない。
(おまけの話)
参加者の中に横浜から来たN先生のコレクターが居た。
彼は世界的な画家の藤田嗣治のコレクターでもあるようで、その中の幾点かの作品を持参していた。
これ等はどのくらいの値打ちがあるのかは私には猫に小判だ。
藤田画伯は猫を好んで描いたようだが、今日は猫ではなく『藤田嗣治と豚』というなんとも珍しい組み合せだ。
草葉の陰で藤田嗣治も驚いているの違いない。
伊達市・桜の家から