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[2018.10.18]
■死生観
自分でも驚いているが、年を取ってきて初めて分かることがある。 
若い頃は「ジジイがなにを言ってんだか!」と思っていた。 
私のオヤジは56歳でアチラへ逝ってしまったので、オヤジからジジイ臭い話を聞いた覚えはない。 
だから自分でジジイ臭いことを言ってしまい、後から自分で戸惑っている昨今である。 
 
「モリのいる場所」・・・★★ 


少し前に女優の樹木希林が亡くなったが、私は彼女のファンというわけではなかった。しかしお正月が近づくとテレビから流される富士フィルムのコマーシャル、「お正月を写そう」に出演する樹木希林は可笑しく楽しみだった。 
特に写真屋でのやリ取りで、岸本加世子役の店員から言われる言葉は秀逸だった。 
 
「万引き家族」・・★ 
 
 
樹木希林  「お見合い写真なので、美しく・・・」 
岸本加世子「美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりに・・・」は何度見ても可笑しかった。 
 
そんな彼女が生前から言っていた言葉がある。 
「人は必ず死ぬというのに長生きを叶える技術ばかりが進歩して、なんとまあ死に難い時代になったことでしょう。」 
 
 
「日々是好日」(にちにちこれこうじつ)・・・★★★ 
 
 
更に続けて「死を疎むことなく、死を焦ることもなく。ひとつひとつの欲を手放して、身じまいをしていきたいと思うのです。人は死ねば宇宙の塵芥。せめて美しく輝く塵になりたい。それが私の最後の欲なのです」。 
 
とんでもないロッカー亭主を捨てず支え続けた樹木希林は忍耐強いのか、奇人変人なのか分からない。 
私も最後まで自分の意思を貫いた彼女を見習いたいと思うが、私は大した意思が無いので困る。 
 
「運命は踊る」・・・★★ 
 
 
日本映画をあまり見ない私にしては珍しく、今年は5月に「モリのいる場所」、6月に「万引き家族」、10月に「日々是好日」と3本も樹木希林の出る映画を見た。 
映画のストーリーも役柄も全く違うが、なかなか好演していたと感じた。 
 
TVドラマや映画を見ると役者が演じているのに、「この人はそういう人なんだ」と勘違いしてしまうことがある。 
それだけ役に入り込む俳優は凄いと思う。その中の1人が樹木希林だった。 
 
「ブレス」・・・★★ 
 
 
ところで私の死生観であるが、恥ずかしながら、何も考えずにここまで来てしまった。ただいつも考えていることは、「ポックリ逝きたい」、「80歳くらいで充分」の2つである。 
そして無駄な終末医療を受けたくないので、「日本尊厳死協会」に夫婦で加盟もしている。 
 
更に言えば、大した目標も無く、ダラダラと毎日を過ごしている。 
ただ「むしゃなび」の読者の期待に応えようと思い、最新都心情報を発信すべく、「死生観」ではなく「使命感」を持って毎日のように徘徊をしている。 
 
「顔たち、ところどころ」・・・★★ 
 
 
私は自慢出来るような特技も無いし、世間でも無名だし、あまりズレた自己主張をすると、「単なるバカオヤジ」になってしまう。 
ここが樹木希林とは大違いなのである。 
 
自己主張をしたければ、やはり有名にならないと駄目だと分かった。 
でも、私は有名人にはなりたくない。いつも誰かに見られているのは嫌なのである。 
 
「バクシーを盗んだ男」・・・★ 
 
 
(おまけの話) 
樹木希林が亡くなったすぐ後の話である。 
朝起きてパソコンを開くと、マンションのカラオケ仲間(Xさん)からメールが届いていた。 
「昨日、入浴中の事故により妻を亡くしました。つきましては、少なくとも2週間は、全ての予定をキャンセルさせて下さい。今は気が動転しています。出来たら皆様へ宜しくお願いします。悪しからず」とあった。 
 
「判決、ふたつの希望」・・・★★★ 
 
 
このメールには驚いた。 
私の知っている人だけでも、入浴中の事故死は4人を数える。 
Xさんも彼の奥さんも私より若い。 
自分より若い人が亡くなると、なんだかとても寂しくなる。 
事故の原因は飲酒して風呂に入り、そのまま寝てしまい、溺れ死んだようだ。 
 
「カメラを止めるな」・・・★★★ 
 
 
その後、Xさんに会った時に詳しい状況を聞いた。 
すぐに奥さんを風呂からj引き上げて警察に連絡したら、救急車が来たが、その時は既に亡くなっていた。 
それでも救急隊員は心臓マッサージなどをやり続けたそうだが、Xさんから「もう止めてくれ」と言ったのだそうだ。 
 
どうやら残された家族の為に「出来る限りのことをしました」という態度表明なのかもしれない。 
私は酒を飲まないから、このような事故は心配ないが、酒飲みは注意しましょう。 
 
「散り椿」・・・★★★ 
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▼コメント(1)
名前:シンジ  2018.10.18 12:48:38
樹木希林の死に対面する言葉の引用をありがとうございました。死への準備する時間があるというのは、幸運なことです。ひと昔前は、死という言葉を発すると、すぐに縁起でもないと、拒否されていました。今は現実と正面から向き合うことができる平和な時代になったのでしょうか。戦時中は死が毎日、いやでも日常だったのでしょう?(私は戦後生まれ。) 

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プロフィール
心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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