■伊達のレタスが食べたい
私のお婆ちゃんは私が結婚した頃に、『男は女房に謝ってはいけない。』、そして『買い物に行ってはいけない』と私に言っていた。 今から思えば、亡くなった私のお婆ちゃんはとんでもないことを私に言っていたのだと思う。
それなのに私はお婆ちゃんの言いつけを守らずに、若い頃からスーパーマーケットに買い物にも行っていたし、女房にはすぐに謝る。お婆ちゃん『ご免』。
引退してからはクリーニング屋に出す物も減ったこともあるし、倹約もしないといけないので、御用聞きを止めて町のクリーニング屋に自分で洗い物を持って行くようになった。
これは運動を兼ねている上に安いのでダブルで助かる。
15日は洗い上がったシーツの引き取り日なので出掛けようとしたら、女房から買い物を頼まれた。玉子とレタスとトマトと干物である。
そこで駅前のスーパーの西友に行った。
頼まれた物を買い物かごに入れて、最後にレタスを見た。
そこにあったレタスは『これはクズじゃないか?』と思うような酷い品物だった。
しかも半分に切ってあり、芯のところが黒ずんでいた。
私は今までに買った物を全て元の場所に戻してから、隣の長崎屋へ行った。
そこで売られていたレタスはやはり半分で小さくて、少しはましだが158円もした。これでも西友のレタスよりは安い。
買ったレタスは小さくて、軽くてスカスカだった。
伊達で食べ慣れていたレタスとは違うものではないかと思った。
仕方なくそのレタスを買ったが、その時に伊達のレタス農家のSさんを思い出した。
私が伊達にいる時は、レタスはいつも新鮮な物をSさんがタダでくれた。
昨年の夏にはレタスが出来過ぎてしまい、トラクターで踏み潰していたくらいだ。
今の私はこんな酷いレタスを高いお金を出して買わなければならなくなった。でも、雪が降る時期にレタスを食べたいと思う方が間違っているのかもしれない。
それにしても、伊達のSさんが作る新鮮な瑞々しいレタスが食べたいなー。
(おまけの話)
私は洋食を食べる時には野菜サラダが欲しい。
家では女房がたっぷりのレタスに缶詰のカニを乗せてくれて、ドレッシングは和風で作ってくれる。これは美味しい。
でも、カニがサラダに乗るのはたまにしかない。
横田基地の傍のニコラス・ピザハウスのサラダにかけられているドレッシングは絶品である。そこではフレンチ・ドレッシングと言っているが、サラダオイルの中にすり潰したリンゴとトマトが入っているように私は思う。
それにレタスも2人で食べるにはたっぷりの量がある。
洞爺湖畔に『望羊蹄』という老舗の洋食屋がある。
私は伊達に滞在中には何度か行く。
そこでも私は野菜サラダを頼む。昨年の夏のことである。
レタス農家のSさんが出来過ぎてしまったレタスをトラクターで踏み潰していたその時期に、そこで出て来た野菜サラダはレタスは見えないほどの少ない量で、キャベツの細切りばかりだった。
野菜サラダには違いないが、私の思う野菜サラダはキャベツではなくレタスである。
その時、私は思った。
次に望羊蹄に行く時はSさんのレタスを持参して、それで野菜サラダを作ってもらおうか・・と。
レタス農家のSさん、『望羊蹄にレタスを売り込んで下さい。』