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[2019.11.01]
■岩手県の秘湯巡り(2日目)・・・鉛温泉
 
いつものように朝は早く起きた。時計を見たら、5時少し前だった。 
すぐに温泉に入りに行く。朝風呂に入ると、「贅沢をしたー」という気分になる。 
 
いつもは家で朝食にパン食なので、旅に出ると旅館の和食が楽しみである。出された朝食は豪華旅館のような贅沢なものではないが、素朴で美味しかった。 
 
夏油温泉「元湯」のバイキング方式の朝食。粗末だが、美味しかった。 


2日目は花巻市鉛中町の「鉛温泉」に行くので、旅館から北上駅まで送ってもらう。北上駅から東北本線に乗り換えて、11分で花巻駅に着く。 
 
鉛温泉の「藤三旅館」の送迎が5時間も後なので、駅前から岩手県バスで行く。バスは田舎道を走り、約30分で鉛温泉に着く。 
 
北上駅の2両編成の東北本線。 
 
 
藤三旅館の創業は1841年というから、もう178年も経っている。 
建物は総ケヤキ作りの3階建てで、自然の中に溶け込んでいる。 
 
温泉は旅館の説明では「今から600年ほど前、先祖がキコリをしている時に、岩窟から出て来た1匹の白猿がカツラの木の根元から湧出する泉で手足の傷を癒しているのを見て、これは温泉の湧出だと知った」とある。 
各地の温泉には良くある話だ。 
 
鉛温泉「藤三旅館」(豊川の橋の上から) 
 
 
旅館のチェックイン時間が3時となっているので、ロビーで本を読んで待つ。2時頃になったら気の毒と思ったのか、部屋に案内された。 
 
旅館ではよく見るように建て増しで部屋数を増やして来たらしく、建物の繋ぎ目で段差がある。 
 
木造三階建の藤三旅館。 
 
 
この旅館は昨夜の夏油温泉「元湯」より値段も高いが部屋も綺麗だった。「元湯」では6畳間で、部屋にはテレビも電話も無かった。 
 
トイレも無いので、洗面所も無い。 
「藤三」ではテレビと電話はあった。しかしトイレと洗面所は無かった。こういう生活に慣れていないが、これもまた良しと感じた。 
 
八畳間に既に布団が敷かれていた。 
 
 
送迎バスが付く前に温泉に行った。 
「白猿の湯」が女性専用時間なので、その他の3ヶ所の湯に入った。 
 
豊川添いに作られた露天風呂が気持ち良かった。 
2人も入れば満席となるところを、独り占めして時を過ごす。 
 
「白糸の湯」の湯船から見える白糸の滝。 
 
 
午後4時過ぎになったので、「白猿の湯」も混浴時間となったので、そこに行く。しかし誰もいない。まして若い女性など、いるわけがない。 
「白猿の湯」の風呂場は広い。 
 
しかも廊下の入口から階段を20段くらい降りる。そこに10メートル以上もある楕円形の湯船がある。 
誰もいないので、「ここで溺れたら死ぬなー」と思った。 
 
「白猿の湯」(浴場内は撮影禁止なので、HPから) 
 
 
(おまけの話) 
鉛温泉には4ヶ所の温泉がある。 
「白猿の湯」、「桂の湯」、「白糸の湯」、「銀の湯」の4ヶ所である。 
 
「桂の湯」は「桂の木の根元からお湯が出たことが、その名の由来である。「銀の湯」は家族風呂である。「白糸の湯」は内風呂で、窓から白糸の滝が見える。 
 
湯上りに「牛乳」が売られていた。 
 
 
売り物の「白猿の湯」は日本一深い1.25メートルの立位浴とあったが、私が入ったら肩のすぐ下までお湯が来たので、1.5~1.6メートルはある。 
 
ここは湯船の底から源泉が湧き出ていて、湯船の中心くらいの場所にある岩に足を近づけたら湧出しているのが分かった。 
だから全く加水、加熱はしていないので、季節により暑かったり、ぬるかったりする。 
 
ここは平地にある温泉で、紅葉はあまり無い。 
朴葉(ほうば)の葉がたくさん落ちていた。 
 
 
立位浴は今までに何回か入ったことがあるが、慣れないとどうにも落ち着かない。この時の湯温は41度くらいに感じた。 
 
なかなか気持ちが良いので、翌朝も早い時間に行ってみた。 
誰も来ていなかったので、足から勢い良くジャブンと飛び込んでみた。 
お湯がザーと溢れ、贅沢をした気持ちになった。 
 
楓の葉が前夜の雨で濡れていて、いい感じだった。 
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▼コメント(1)
名前:宿谷 倭男  2019.11.01 16:33:07
35年前に出張の時地元のオーナーと  
鉛温泉に宿泊したことを貴殿の旅行記で思い出し懐かしく読ませて頂きました。 有難う。 

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プロフィール
心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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