■競争の先に待っているものは?
私はJR中央線の武蔵小金井駅の北口に住んでいる。 駅前から続く主要道路の両側はマンションだらけである。
商業地としての魅力に乏しいのか、或いは商店の努力不足なのか、ロクな店が無く、女房の買い物は吉祥寺か新宿となっている。
中央沿線では武蔵小金井駅と東小金井駅だけが取り残されたように、田舎のローカル線の駅のようだった。
マンション通り
とろこが、以前から行われていた南口の再開発が完成に近づき、高層マンションが建ち、商業施設としてイトーヨーカドーと三浦屋がオープンした。
南口再開発
3月19日がオープン初日と知り、散歩がてら午後から出掛けてみる。
駅の高架工事はまだ終らないので、広場の整備はまだだ。イトーヨーカドーは会社の幹部らしき人達が総出でお客の対応をしている。
イトーヨーカドー
店の中に入ってみる。大勢の人で大混雑である。
どこからこんなに大勢の人が湧いて来たかと不思議に思う。この町には大した企業も無いのだから、オープンとあって他の町から来たのか?
『こんなに大きな店でやって行けるのかなー』と人ごとながら心配する。しかも午後11時まで営業するという。
誰が買うのか?そして、誰が働くのか?
館内案内板
北口には大型店の西友、長崎屋、いなげや、ダイエー、京王ストア、オリンピックがある。南口にはこの近在で人気のOKストアといなげやとコープとピーコックがある。
その他に地元商店があるのだから熾烈な競争が起きて、人口が11万人弱のこの町ではスーパーが多過ぎる。
いずれどこかが敗退して行くに違いない。
そんなに事業を拡張して行って、その先に待っているものは何だろうか?事業家の底知れぬ事業欲に驚き呆れる。
引退すると変に冷静になってしまう。
私は特に欲しい物も無く、宣伝用のティシュだけもらって手ぶらで帰って来た。
欲しい物だらけだった、あの頃が懐かしい。
(おまけの話)
私の子供の頃は色々な場面で、そんなに競争は激しくなかったような気がする。
だから私のような、こんな大人がいるのかもしれない。
今はその競争に付いて行けず、家に引き篭もってしまう若者すら出て来た。
団塊の世代が生まれて来てから、一挙に世の中の全てのことが競争になった。
受験、就職、結婚、介護施設の入所、最後はお墓を買うのまでが競争になった。
そして気が付いたら、一挙にアメリカ型の競争社会となっていて、そのアメリカ発の金融崩壊によって世界中の人が迷惑を被っている。
その震源地のアメリカの保険会社のAIGの幹部達が、米政府の巨額援助で経営再建の最中に、1人あたり1億円を越える高額なボーナスを支給されたという。
さすがにオバマ大統領も頭に来て、そのボーナスをなんとか取り戻そうとしている。
アメリカ人はいつからそんなに欲張りになったのか?
法律に触れなければ、一生かかっても使い切れないほどの収入を欲しがって、自分さえ良ければいいという社会にしてしまったアメリカ人の責任は重い。
小金井駅北口と南口のスーパーの競争を見て、日本もこれでいいのかなー?と考えた。
(おまけのおまけ)
イトーヨーカドーのオープンの日には以前からある北口の西友や長崎屋はどうしているのか気になって覗いてみた。
店内は閑散としている。
僅かに来ているお客はイトーヨーカドーのオープンを知らないジイサンか、足が悪くて駅の南口まで行けないバアサンだけではないかなー?