■450万本のネモフィラ
6年前に引退した時を境に私は経済活動を止めた。 そして区切りを付ける為に、長年とっていた日本経済新聞を止めた。その代わりの新聞として、同じ販売店が扱っていた毎日新聞をとるようになった。
この新聞をとって良かったことは、1面に必ずなにか綺麗な写真が出ていることである。
少し前に「ひたち海浜公園」の写真が出ていて、広い丘一面の紫の花の様子が出ていた。
その花はネモフィラというのだそうだ。初めて聞く名前であった。そこで、私もその写真が撮りたくなった。
前日の夜に急に思い立ち、23日の早朝に車で家を出た。
9時までに三郷ICを通過すれば、早朝割引で高速料金が半額になる。それが結果的にはものすごく良い判断となった。
ひたち海浜公園には午前9時22分に到着した。
公園の門前には既に20~30人のジジババ・カメラマンが開門を待っている。
9時30分の開門と同時に早足で1キロくらい先の「みはらしの丘」に急ぐ。
私はそこに3番目に着いた。素晴らしい景観である。
丘全体がネモフィラで埋め尽くされて、ブルーに染まっている。
晴天の空とブルーの花の絨毯の境目が無いように感じる。
15分も経つと、続々と観光客がやって来た。その数は200~300人にもなる。
みんな勝手に丘に登るので、もう人の居ない写真は撮れなくなった。
『早起きは三文の得』というのは正しいと、この時は感じた。
(おまけの話)
海の傍の公園に行ったのだから、お昼は海の物を食べようと思った。そこですぐに高速道路には入らないで、海岸線に沿って車を走らせた。
この辺りの漁港は寂しい。漁港があっても食事処が無い。
しばらく走ると、急に前方に人だかりが見えた。
近付くと、そこは那珂湊の観光客用市場であった。
車を停めて歩いてみる。店のおっちゃんから声が掛かる。
その声に釣られて岩牡蠣にレモン汁を垂らして食べた。500円也。
店の中に入る。あんこう、いか、かに、さんま、ほっけなど、魚ならなんでも売っている。
茨城県名産あんこう
その勢いに乗せられて買いそうになったが、かろうじて止まった。私は家に帰っても女房が留守なのを思い出した。
そこで落ち着いて値札を見て驚いた。
産地が書いてあったが、ロシア、中国などから来ている。
国内でも千葉、遠くは九州などの産地が書いてある。
なんで茨城県まで来て、九州の魚を買うんだろう?
産地偽装をしていないだけ、良心的と考えるべきかー。