■オタクと間違われる
休みの日は家を出ないと決めていたが、長いゴールデンウィークが私の気持ちを変えさせた。あまりに家にばかり居ると、イライラして来て困るのである。 そこで女房が新宿の東急ハンズに行くと言うので、同行する。なんだか世間で嫌がられている『濡れ落ち葉』オヤジみたいだ。
昼に娘とも合流し、3人で一緒に食事をしてから彼女達と別れた。私はそこから都電荒川線のバラの様子を見に行く。
4月28日に行った時は、満開にはまだ少し早かった。
都電荒川線
今回はJR大塚駅から都電荒川線に乗る。
そして荒川車庫前駅で降りる。この駅から次の駅の荒川遊園地駅の間がバラの花が多いからである。
駅の周りのバラは満開である。
荒川遊園地駅
都電の車庫の前にカメラマンが大勢集まっている。
私もそこへ行ってみた。すると、隣のオタク風の若者が私に話しかけて来た。
オタク『やっぱり7510系ですよねー?』
なんのことか分からない私は、『えー』と曖昧な相槌をうつ。オタク『都電は7510系が最高ですよねー』
私 『そうですよねー』
オタク『7510系を買いたいなー』
私 『買ってどうするの?』
オタク『運転したい』
私 『そんな広い場所があるの?』
オタク『ないんだよなー。だからダメかー』と言って、去って行った。
どうやら車庫の傍にいたカメラマンはバラの写真を撮りに来たのではなく、色々な種類の都電が車庫に戻って来るのを待っていたのであった。
私まで都電オタクと思われてしまった。
そんな風に見えるのかなー?
(おまけの話)
バラの撮影をした後に、どうせならと前回は混雑で入れなかった阿修羅展を見に行く。それにしても、一般人がなぜそんなに仏像を見たがるのか分からない。
経済が疲弊して人心が乱れると、心の安らぎを仏像に求めるのか?
それなら仏像を彫っている私はいつも心が平静かというと、そんなことはない。
東京国立博物館正門
東京国立博物館で、1500円の入場券を買って会場に向かう。
人を外見で判断してはいけないが、どう見ても仏像とは無縁としか思えない人達が大勢いるように思える。
会場内は大混雑で、目的の阿修羅像の周りには4重くらいに人垣が出来ている。
係員の女性が『立ち止まらないで下さい』と言っている。
私は仏像の細部の細工などを見たいので、立ち止まらなけりゃ分からない。
今後は私のような仏師には、特別拝観日を設けて欲しいなー。