■幽霊を見たことはありますか?
私の家は東向きにある玄関を入り、居間を通り過ぎた奥に和室がある。 玄関の招き猫
そこは私の趣味の部屋であると同時に寝室でもある。
部屋の奥には几帳が掛けてあり、その奥に布団が敷いてある。だから、好きな時に寝たり、起きたりしている。
私の部屋
年をとったせいか、夜中にトイレに起きるようになった。
手元のスタンドの電気を点けて、暗い居間を通り抜けてトイレに行く。
一緒に寝ているラーちゃんは、迷惑そうな顔をするだけで起きて来ない。
ラーちゃん
手探りで居間の扉を開けてビックリした。
私は驚いて声も出ない。玄関に幽霊が立っている。
その幽霊はどういうわけか裸の女性である。
我が家に出る幽霊
夜中に裸の女性が家の中に立っていれば、誰でも驚く。
女房でないことはその体形ですぐ分かる。
そのままトイレに行ってから、また自分の部屋に戻って寝た。ただ、それだけの話である。
かなり前だが、私の部屋には座敷童子が住んでいたことがある。それも猫を飼ってから居なくなった。
我が家には色々と怪しい物が住んでいるのである。
(おまけの話)
かなり前のことだが、娘の留学先を探しにスイスに行ったことがある。
その時にジュネーブのレマン湖の畔に建つ古い大きなホテルに泊まった。
建物内は薄暗く、案内された部屋は3室もあり、ベッドルームは2部屋、トイレも2ヶ所にあった。
そんな大きな部屋に泊まったので、寝る時は私は女房と娘とは別の部屋に寝た。
寝る前に3人で『ヨーロッパの幽霊は足があるんだってねー』なんて冗談を言っていた。
翌日の朝のことである。
女房が早い時間から起きて来て、『幽霊を見た』と言う。
私 『本当かよ?』
女房『間違いない。話しかけたら、いなくなった』
私 『どんな幽霊だった?』
女房『それは少年で、黒い長靴を履いて部屋の隅からこちらを見ていた』
私 『なにか悪いことはした?』
女房『なにもしないで見ているだけだった。だから怖くはなかった』
・・・と、言っていたが、あれは本当だったのかなー?
(裸の女性の正体)
これは玄関に置いてある木彫りの裸婦像である。
その夜の月光に照らされて、その裸婦像の影が壁に映っていたのである。
幽霊の正体