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[2009.06.16]
■恐れ多くも国宝を彫る
以前に上野の国立美術館で薬師寺展が開催されて、その時の展示品の中に『日光菩薩』と『月光菩薩』があった。 
日光菩薩は少し腰をひねった立ち姿で、なんとも魅力的であった。 
 
日光菩薩像 
 
そこで、私は恐れ多くもこの国宝の日光菩薩を彫りたくなった。 
仏像教室の日に先生に申し出た。 
『日光菩薩を彫りたいんですけど・・』 
先生は『橋本さんにはまだ少し早いんじゃないですか』と、私の技量を知っているだけに適切な助言である。 


そこを例の如く頑張って、渋々、彫ることを認めてもらった。だが、この仏像は先生も教材を持っていないので、見本も無い。 
前から見た姿は写真にあるが、後姿の写真は無い。 
 
あの時の薬師寺展では光背も取り払われていて、観客は後ろに回って見ることも出来たのに、その時は私もまさか日光菩薩像を彫るとは思わなかったので、よく見て来なかった。それが残念である。 
 
それでもなんとか頑張って、それらしき仏像を彫ることが出来た。 
 
前姿 
 
でも実物の写真と見比べてみると、あまりに似ていない。 
私の場合は創作は得意なのだが、模刻はまるで下手である。 
・・ということは、まだまだ技量不足ということなのである。 
 
後姿 
 
(おまけの話) 
今から1300年も前に彫られた日光菩薩像は実物は完全体ではない。 
長い間に部分的に欠けてしまったところがある。 
それは腕から垂れた薄い布で、両腕とも欠けている。 
 
私はそれを復元するという大それたことを考えた。 
欠けた部分があるものとして仏像を彫ると、それは技術的にグーンと難しくなる。 
 
そこで、国宝を彫るという当初の目的に合わせて、欠けたままのものを彫った。 
次に、そこに差し込み式で欠けた部分を創作して作ってみた。この方法のほうが彫るのが易しい。 
 
復元された日光菩薩(前姿) 
 
これが1700年前のオリジナルの日光菩薩であろうと思う。その結果は、欠けたままの方がスッキリしていて魅力的に見えるから不思議だ。 
何事も完全が良いのではないのだと分かった。 
ミロのヴィーナスも、腕が欠けているから美しいのかもしれない。 
 
復元された日光菩薩(後姿) 
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▼コメント(1)
名前:榎本宣道  2009.06.16 09:14:03
できそうもない事を、やり通して仕上げてしまう橋本さんを見習いたいと思っています。像も雰囲気出ています。次は阿修羅に挑戦ですか。設計図を手配しますが。仏師より 

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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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