■昭和は遠くになりにけり
いよいよイコロ農園でのカニ・パーティの日となった。 この日はイコロ農園の牧草地の刈り取りが終り、牧草ロールが置かれていた。これは有珠山をバックに、夕陽の中でなかなか絵になる。
参加者は企画が良かったせいか予想以上の反響で、30名の参加となった。
そこで私は漁港に買い出しに行き、50パイのカニを用意した。
折角の機会なので、見栄えの良いように50パイのカニをテーブルに並べて、みんなを驚かすことにする。
パーティの始まる前に、五右衛門風呂を沸かしておいた。
先ず、イコロ農園オーナーのTさんが入る。
次に新入り会員で若い弁護士のHさんを入れる。
簾の向こうで裸になり、五右衛門風呂に入ったHさんが『熱いー!』と言う。
すぐに冷ます為に、水を足す。でも、まだ熱いと言う。
簾を上げて中を見る。
なんとHさんは五右衛門風呂の踏み板に乗らずに入っていたのである。
『板に乗らなきゃ、下からの熱で火傷をするよ』と教えた。
この五右衛門風呂事件で、『昭和は遠くなったんだー』と悟らされた。
こういう若い人が第一線で活躍する時代が来ている。
時代はもう私の横を通り過ぎて行ってしまっているのである。
それでもみんなでカニを食べ、飲める人は酒を飲み、大いに盛り上がった。
(おまけの話)
パーティの席で左隣に医療関係者のKさんが座った。
右隣りには、やはり医療関係者のK女史が座った。
話は私の前立腺癌の手術の話から、医療費の支払いの話になった。
そんなことから支払いの時の個人負担の話になった。
私、『国民健康保険で、3割負担だった』。
Kさん2人、『組合保険だと本人は1割負担だ』。
私、『国民健康保険も組合保険も、暫く前から同じ3割負担に変更になった』。
Kさん2人、『そんなことはない。組合保険は今でも本人は1割だ』。
医療関係者が強く言うので、私も弱気になってしまい、他の出席者に聞いて廻ったが、殆ど誰も知らない。
みんな健康なんだなー。
その時にガソリンスタンド経営のKさんが、『どちらも3割だよ』と、自信を持って教えてくれた。
やっと『私の言っていることが正しい』と、分かった医療関係者のKさん2人は恥じていた。
そこで、私から提案して、『来週になったら、私が2人に医療問題の研修会を行う』ということで落ち着いた。
(この話は2人から、「書いてもいい」と許可を得ている)