■たこ焼きとベートーベン
伊達市で忙しい人のベスト・スリーに入るXさん宅に呼ばれた。 『呼ばれた』と言っても、押しかけみたいなものである。
昨年はXさんが忙しくて、一度も食事を共に出来なかった。
今年は私達の滞在期間が短いので、『いま会わないと、帰ってしまいますよー』と、脅かしたら、家に招待された。
Xさんの提案は、『たこ焼きを作って食べて、ベートーベンの第7番を聞こう』という、なんとも取り合わせが妙な食事会である。
たこ焼き器
私と女房はポトフと野菜サラダを作って、持参した。
たこ焼きは、市販のたこ『焼きの素』みたいなものを使っているので、東京人からみたら大した物ではないが、今は独身となっているXさんが手作りしてくれるその気持ちが嬉しい。
食後はいよいよベートーベンである。
彼の家のオーディオは素晴らしい。今では値段が付けられないような貴重な装置の数々である。
そのオーディオ装置で、Xさんの解説付きでベートーベンを聞く。
オーディオルーム
Xさん曰く。『伝説の指揮者ウィルへルム・フルトヴェングラーが、1943年、つまり戦時下にあのベルリンフィルを指揮した「第7番」と、戦後の1950年、まさに私が誕生した年に、あのウィーンフィルを指揮した「第7番」です。』
熱心に素人の私にクラシック音楽を語るXさんを羨ましく思う。私にはそれほど惚れ込んだものは無い。
それにしても、ベートーベンにタコ焼きは似合わなかったなー。
(おまけの話)
「たこ焼き」と言えば大阪である。
心斎橋の傍の、大阪が誇る食い倒れ人形の向かい側にあるたこ焼き屋の『大たこ』は、タコも大きいが、味も良い。
現役の時には取引先や仕入れ先が数軒あったので、よく通った。
それよりも私が好きだったのは、JR梅田駅のそばの阪神デパートの地下にある『イカ焼き』である。
小さく刻んだイカが入っているお好み焼きみたいなものである。醤油を付けてもらい、熱々の時に食べるイカ焼きは絶品である。
関西はこの他にお好み焼きもあり、関西風に言えば『粉もん』が美味しい。
昔から大阪は『食い倒れの街』と言われているが、私の友人の関西人のMさんは、『安いものしか無いので、食い過ぎて倒れるのだ』という珍説を唱えていたが、どうだろうか?