■アーティーチョークの花を見たことはありますか?
雨が降ったので、コテージでゆっくりしていたら、イコロ農園のTさんから連絡があった。 『ハウスの中のアーティーチョークの花が咲きました。蕾の中から薄紫の花弁は夜間飛行の滑走路電球を連想させます』と、Tさんらしからぬロマンチックな表現だった。
そこで雨上がりの午後から女房と一緒にその花を見に行った。確かに薄紫の花で美しいし、珍しい花である。
ミツバチが花にとまって蜜を吸っている。
今年のTさんは例年より沢山の作物を植えている。
『なぜそんなに沢山植えるの?』と聞いたら、『この地では、春が来ると無性に作物の種や苗を植えたくなるんですよ』と答えた。
寒い地方では、「そんなこともあるんんだろうなー」と納得である。
ハウスの中はキュウリ、トマト、ソラマメ、さやえんどう、ルッコラ、ヤツガシラなどなど、ぎゅうぎゅう詰めである。
ハウスの外には、ジャガイモ、スイカ、とうもろこし、ズッキーニ、カボチャ、アスパラガス、ネギなど、スーパーマーケットで売っている物ならなんでもありそうだ。
植えるのは好きだが、収穫はあまり好きでないようだ。
自分でも何を植えたかを忘れているのではないか?
それでも、毎日必ず農園にやって来ては野菜達の手入れをしている。
そんなTさんを見ると、私もなぜか『やらなければならない』という気持ちになってしまう。
そんな私を見て、女房は『なにをしに北海道に来たのか分からない』と言う。
(おまけの話)
私の家は駅から500メートルくらいのところにあるが、そこに行くまでは両側に農地が続く。
このような場所は東京では珍しいと思う。
私の家の建っている場所も以前は農地だったので、我が家の家庭菜園は土が良く、作物がよく育つ。
しかしながら、我が家の近所の農家は殆どが偽装農家である。
宅地並み課税を逃れるために、売りもしない野菜や植木などを植えていて、形だけの農地を保っている。
それでも駅から家までは植木の中を歩いて行けるし、自然環境の保全という意味では役立っているので、一概に批判も出来ない。
ところが農業の本場である伊達では耕作放棄された農地があると聞く。
国の農政の失敗からか、作物を作らないと補助金がもらえるという妙な制度が農地の荒廃を招いている。
同じ農地でありながら、その所在地が違うだけで、土地価格が200倍くらい違うと、こんなことが起きるのである。