■反省しない反省会
この夏に伊達にやって来たS君達が、私が東京に戻って来たと知って、『伊達の反省会をやろう』と連絡して来た。 私には反省することなど何も無い。
引退してからは、反省するようなことに関わらないようにしている。
しかし折角のお誘いなので、『反省はしないが、集まろう』という返事をしておいた。
そして、9月8日に元演歌歌手のM君の奥さんがやっている四谷荒木町のスナック『竹人形』に集合した。
荒木町の路地
反省すべきはS君、M君、Y君。そして反省しないのは私達夫婦だ。
更に伊達には来なかったが、一緒に反省したいと言う同級生のS君、I君、M君、Y君、N君の合計で10人となった。
竹人形で
伊達に来た3人は、私に成り代って伊達市の素晴らしさを語ってくれるものと思ったのが間違いだった。
Y君が女房を亡くした話から病気の話に移り、いつまで経っても伊達の話が出て来ない。
竹人形
そうやっている内に話は昔話へと移り、中学からの同級生は延々と反省もせずに、悪ガキだった頃の思い出話をしていたのである。
結局、その日はなんの為に集まったのか分からなくなってしまった。
9時を過ぎて店を出たら、変な看板が目に入った。
竹人形の女将に聞いてみたら、『坊さんがやっているバーらしい』と言う。
さすがに東京というところは色々あるなーと感心して家路についた。
坊主バー
(おまけの話)
私の長い人生で反省すべきことは多くあった。
毎日が反省の日々のようなものだった。
それなら、反省するようなことをしなけりゃよいと思うのだが、そうはいかない。
やる前は反省するようになるとは思ってもいないからである。
反省には2種類の反省がある。
『やってしまった』ことに反省する場合と、『やらなかった』ことに反省する場合がある。
荒木町入口付近
いま振り返って思うに、『やってしまった反省』はあまり覚えていない。『やらなかった反省』は、いつまでも苦い味と一緒に思い出される。
これからの残りの人生は反省をしないで生きて行きたいと願う。だが、これだけは間違いない。
『夏の間、伊達に行くようになったことは反省していない』。
でも、私と知り合ってしまったことを反省している伊達の人もいると思う。