■タイガーマンという男(2月13日)
今日はトラとの最後の日である。
我々は運が良いことに、ドライバーはサンジェイだった。
彼と出掛けた日で、トラを見られなかった日は無いのである。
そんな100%男の彼を私は『タイガーマン』と名付けた。
サンジェイもそれを喜んでいた。
午前中の早い時間にミルチャヘニを見付けた。
我々以外に誰もいない。
藪から出て来て、草原を悠然と歩いて行く。
またこちらに戻り、藪の中で一休みする。
そして、どこかへ消えて行った。
ホテル支配人(左)とサンジェイ(右)
その後、草原の向こうの木の陰で、獲物を食べているらしいボーカが見えた。そのまま全然動かない。
このトラは牙が欠けているので、牙欠けボーカと呼ばれている。
午後になり場所を移したら、バンベイ親子が草原の中に見えた。
子供同士でじゃれ合っている。
母親が心配そうに、付かず離れずで見ている。
その内に草原を横切ってこちらへ来た。
私は焦る。草原だとカメラの焦点がなかなか合わない。
じゃれ合うチョベーラの子供達
そうしている内に我々のすぐ傍の道路を横切って、森へ消えて行った。
今回は20分以上という、かなり長い時間の観測が出来た。
最終日が一番多くのトラに出会えた上に、長い時間の観察も出来た。
誠にラッキーなトラの旅であった。
『寅年にトラに喰われずに帰れそうだ!』
去っていくB2(♂)
(おまけの話)
滞在先のホテルで朝食の時に、席の近い外国人と話をすることがある。
『昨日はトラに出会えたか?』
私達はいつも、『出会えたよ』と答える。
彼等は『私は3日目だが、まだ会えない。あと1日の滞在なので、今日に期待している』なんて言う人が多いことからみて、私達は非常に運が良かったと思っている。
ニューメール(♀)
また、公園の出口で帰って来る人達を見ると、トラに出会えたかどうかがすぐ判る。出会えなかった人達はジープの中で疲れた顔をしていて、おまけに無口である。
言い訳看板(看板の言葉が洒落ている)
ところが運良く出会えた人達は賑やかで、大騒ぎをしているから、すぐに判るのである。
私達は全くの幸運続きで、トラを見に行って出会えなかった日は、遺跡に行った日の午後だけだった。
これもトラの専門家で、ここを何年も訪れているO君のお陰だと感謝している。