■スランプになる
仏像を彫り出して、今年で5年目になると思う。 手帳に書いていないので、確かではないが・・・。
その間には沢山の仏像を彫って来た。
なかなか上達はしなかったが、それでもスランプになったことは無かった。それが今年になってから、スランプとなった。
聖観音像の写真本
仏像彫刻のスランプというのは何かというと、なかなか彫る気持ちになれないのである。
やっとのことで仏像に向い彫刻刀を持っても、どこから手を入れていいのかが分からない。
少し彫り進めると、全く自分の思っている姿と違い、先に進めなくなるのである。だから、そこで止める。
そして次回の教室で先生に教わる。
制作途中の聖観音像
先生に、『スランプになりました』と言ったら、『それは大したものだ。趣味でスランプになる人は珍しい』と褒められてしまった。
先生はこともなげに彫るが、見ている私は、「あーそうか」と思うだけで、家に帰るとまた同じ状態に戻る。
こういう時に無理してやると、大怪我をするのだろうと思う。
以前にはもっと難しい仏像を彫っていたのに、すっかり忘れている。こんなことは初めてだ。
でも、辞めずに続けようと思う気持ちはある。
レンズで顔の確認
仏像彫刻を辞めてしまうと、有り余る時間の消費に困る。
そして、ただの濡れ落ち葉のジジイになってしまう。
それを恐れて、スランプなのに頑張っているのである。
(おまけの話)
仏像彫刻教室は第一と第三の金曜日にある。
中野坂上の成願寺までは荻窪から地下鉄で行く。
お寺の傍には東京工芸大学がある。
写大ギャラリー
この学校の専務理事は私の同級生のN君である。
時々、そこのギャラリーから写真展の案内の葉書が来るので見に行く。
その日はN君は忙しい中を私に会いに来てくれ、その上に近くの寿司屋でランチまでご馳走してくれた。
彼は「大学経営は少子化の影響で、どこも厳しい」と言っていた。
幸いに彼の学校は人気が高く、定員割れは無いそうだ。
東京工芸大学のカメラコレクション
「あと10ヶ月を大学経営に専念し、後の人が困らないようにしたい」と、彼は熱く語っていた。
そして、来年の今頃は、『一緒に大いに遊ぼう!』と言うのだが、私はもう充分に遊んだし、その時まで元気でいられるかどうか分からない。
その時は、誰か他の人と遊んでねー。