■プライベートマウンテン
海外のリゾート地には、「プライベート・ビーチ」というものがあり、そのホテルの宿泊者以外はそのビーチに入れないようになっている。 私の滞在しているトーヤレイクヒルGCというのは、立香山という山の中腹を切り拓いてゴルフ場にしている。
この山は全てこのゴルフ場の所有であるから、いわば『プライベート・マウンテン』である。
泰山木(すごく香りが良い)
私が滞在中はゴルフ場からゴルフカートと、四輪駆動のジープを借りていて、いつでも使えるようになっている。
その代りに、私はカメラマンとして、ゴルフ場や立香山の四季の写真を撮って、それをゴルフ場に提供している。
頂上への山道
今年も伊達に到着して3日目に、早速、立香山に登ってみた。登るといっても四輪駆動車であるから楽だ。
洞爺コースの5番と6番の間を横切っている道を進むと、そこはもう山道である。
今年は作業用の車両も入っていないらしく、道路の車輪の跡が消えていて草が生えている。
両脇からの伸び放題の木々をかき分けて15分くらい登ると、急に視界が開ける。
立香山の頂上から
そこが頂上である。眼下に洞爺湖が見える。
右手にはまだ少し雪が残っている羊蹄山、左手には昭和新山、更に左は内浦湾、反対側にはオロフレ峠が見える。
この素晴らしい景観を独り占めするのは、なんだか申し訳ない。
朝も良い。昼間も悪くない。夕陽の時は最高である。
景色は良いのだが、なかなか傑作写真を撮れないのが、今の私の悩みである。
(おまけの話)
以前にインドネシアのバリ島に行った時の話である。
海岸沿いのヒルトンホテルに泊った。
ホテルの前庭は、やはりプライベートビーチとなっていた。
そこのホテルは旅行者にゆっくり過ごしてもらう為に、土産物売りなどが入って来ないようにガード固めている。
両隣も、やはり同じような高級リゾート・ホテルであった。
私が砂浜に置かれた長椅子に横たわり、静かな時を楽しんでいると、そう遠くないと思われる場所から声がする。
気になってその方向を見ると、砂浜に現地人の頭が見えた。
砂浜に這いつくばった男が、私に声を掛けていたのである。何かと思ったら、手にした土産物を見せるように掲げて、『$10』と言っている。
その男の居る場所を確認したら、隣のホテルとの境界線上で、どちらからも文句が言い難い場所だった。
ゴルフの場合は、OB線上はセーフというルールであるから、彼の場合も「セーフ」なのかもしれない。