■養蜂植物
伊達の館山の丘では、ビート、小麦、ジャガイモ、葉物野菜などの栽培が盛んである。 5月のころ光陵中学校のそばの道を丘に登っていくときに、右手には黄色の菜の花畑が広がっていた。それが少し間をおいて6月に行ってみると、黄色の畑が消えて青紫の花が咲く畑に一変していたのである。
菜の花畑
青紫の花畑
初め、この青紫の花が何なのか分からなかった。この畑の近所に住む知り合いの方に聞いたが花の名前は分からない。ただし、菜の花もこの青紫の花も蜂蜜を採取するために栽培しているらしいとの情報を得た。
どうしても気になるので、この青紫の花を調べてみようと思った。
次のページの、花を大きく撮った写真から探ろうと思った。
Googleの画像サービスで「写真を入れて似たような花を探してもらう」というサービスがあり、そこに画像を入れて検索すると、似たような青色の花がたくさん出てくる。
もう一つは、養蜂のための植物―蜜源植物―ということから、「養蜂のための花」というキーワード入れて、該当する花を探していった。
そんな検索から絞り込んで分かってきたこの花の名前は、「ファセリア」という植物だった。
ファセリアを詳しく調べてみると、ハンガリーなどでは蜜源植物(蜂蜜となる)として使われている、というようなことも分かってきた。
養蜂ということに興味を持ったので調べてみた。
以下はWikipediaから養蜂に関する情報を拾ったものである。
*人類が蜂蜜を取った最古の記録は1万年前くらい遡るそうだ。スペインのアラニア洞窟で発見された約1万年前の壁画に蜂の巣から蜜を取る女性の姿が描かれている。壁画からは燻煙を使って蜂を不活性化する方法を使っていることも伺われる。メソポタミア文明の楔形文字にも蜂蜜に関することがらが記載され、古代エジプトの壁画に養蜂の様子がえがかれている。
ローマ時代には蜂が狭い場所に巣を作る習性を利用し、天然の環境を模した巣箱(養蜂箱)が使われるようになった。各地でいろいろな素材の巣箱が使われたが、ステップ地方の遊牧民が考案した持ち運びに便利な編みわら製の巣箱は西ヨーロッパにまで広がった。
民族大移動以後、養蜂は一時的に途絶えてしまったが、カール大帝は農家に養蜂を奨励し、同時に養蜂による産物を蜂蜜税として物納させた。中世ヨーロッパでは、照明用のロウソクの原料である蜜蝋をとるために、修道院などで養蜂が盛んに行われた。
日本における養蜂についての記述の始まりは「日本書紀」・「大日本農史」等によれば皇極天皇2年(643年)である。
「是歳、百済の太子余豊、蜜蜂の房四枚を以て、三輪山に放ち養ふ。而して終に蕃息らず」
(倭国の人質として来た百済の王子・豊璋が、三輪山で蜜蜂を放して養蜂を試みたが、失敗したという記述である)平安時代には宮中への献上品の中に蜂蜜の記録がある。平安末期には「今鏡」、「今昔物語」でハチが飼われている記述がされており、それをニホンミツバチとする説もあるが、定かではない。江戸時代には巣箱を用いた養蜂が始まったとされる。明治時代に入り、西洋種のミツバチが輸入され近代的な養蜂器具が使われるようになり、養蜂がさかんになった。
ニセアカシア問題
国内産ハチミツの半分はニセアカシア由来といわれる。主要な蜜源植物のニセアカシアが外来生物法の生態系被害防止外来種にあげられ、駆除(伐採)がされているが、全国の養蜂業者による「日本養蜂はちみつ協会」は「アカシアを守る会」を結成し、リスト指定に反対している。従来、レンゲソウが蜜源植物として利用されてきたが、レンゲの作付けが減少し、ニセアカシアへの依存が高まっていたことも問題の背景にある。2007年秋には、天竜川、千曲川流域の河川敷で伐採作業が行われた。
養蜂と登山との関係
養蜂において巣箱を運ぶ作業は重労働である。この作業を繰り返しているうちに足腰が鍛えられ、肺活量も多くなり、登山に適した体が作られていく。エドモンド・ヒラリー(エベレストに初登頂した人)の本職が養蜂業であることは有名であり、彼をはじめとするニュージーランドの登山家には養蜂業を営む者が多い。*
先日、有珠山2000年噴火の火口への遊歩道を歩いているときに、茶色いっぽい穂に小さな黄色の花をつけている植物に出会った。ハチが蜜の採取に飛び回っていた。
植物のことに詳しい火山マイスターの加賀谷仁左衛門さんが、この写真を見てコメントしてくださった。
*この植物はイタチハギ。マメ科で、アメリカからの外来種であり、2000年噴火遺構付近ばかりではなく、ドンコロ山 露頭や道路ののり面に一般的な植物です。繁殖力が旺盛なのと、根粒菌による緑肥として、また、あまり大きくならず、手入れいらずなので、緑化樹木として導入されました。
イタチハギは優れた蜜源植物で、その蜜は赤いので良く分かるそうです。ミツバチ類は肉食のスズメバチ、アシナガバチ、カリウドバチ類などとは少し生態は異なります。間違って花と一緒に握ったりしない限り、さほど積極的な危険はないでしょう。
葉の形でマメ科とわかります。豆類は葉の数こそ違え、皆同じ形をしていますから、葉の形でわかります。
一般にマメ科植物は根に根粒菌という、空気中(およそチッソが80%、酸素が20%)
の窒素を、生体内で簡単に合成して、窒素化合物に、要するに葉肥にします。工場内
では高圧高温で凄いエネルギーを必要とします。それを根粒菌はいとも簡単にマメ科
植物と共存共栄で生活しながらやってのけるのですから、優れものです。
私(仁左衛門さん)の家の裏手の畑では今年は豆が植えられるようです。このところ豆は植えられていなかったのですが、輪作という方法で、畑に窒素分を入れるために数年に一度、豆類を植えます。
マメ科の植物(マメ類、クローバー、レンゲ、ハリエンジュ、ネム、ハギ類、など)
は自然界でのとても有りがたい優れモノなのですね。*
壮瞥のドンコロ山周辺では、いまこのイタチハギが道路の斜面を覆うほどの群落を作っているとのこと。養蜂業者がいれば、ありがたい蜜源植物と歓迎するのだろうか。
(2019-6-29記)