■王鰈になって帰って来い
9月3日にいぶり噴火湾漁業協同組合の有珠漁港のYさんからメールがあった。『9月9日の午後2時頃からマツカワの放流があるので来ませんか?』というものであった。 以前に伊達市にあるマツカワの栽培センターを見学した時に、私からYさんに『放流する時は知らせて下さい』とお願いしておいたからだ。
マツカワはカレイの1種だが、いぶり噴火湾漁業協同組合では、そのマツカワをブランドに仕立て上げようと考えている。そして、そのカレイの名前を『王鰈(おうちょう)』と名付けた。ずいぶんと立派な名前である。
9日の午後からTさんと一緒に有珠漁港に行った。
伊達の栽培センターから運ばれて来たマツカワは大きな10個の水槽に入っている。それをクレーンで漁船に積み込んで出発である。
天気は晴天で、海は波も穏やかである。
有珠漁港から10分くらい行った場所で放流が始まった。
そして、今回の放流は3年目で、数量は3万3000匹である。
8センチくらいに育てたマツカワを10人くらいの漁師たちが手際よく海に放流する。
毎年、私が乗せてもらう鮭の定置網漁に行く時の漁師の顔も見える。
全部を放流するのに15分くらいしかかからない。
これが3年くらいして大きく育ったところで漁になる。
その時はマツカワは王鰈と名前を変えている。
果たして、その時に何匹帰って来るか?興味深々である。
(おまけの話)
カレイとヒラメは素人が見ると、目の位置が違うだけのように見えて、よく似ている。
でも、値段はヒラメの方が40%くらい高い。
ところが、王鰈となると、そのヒラメよりも更に75%も高く売れる。でも、放流までにはかなりの人手が掛かっている。
これは以前の私のブログを参照して欲しい。
マツカワの放流は森進一の歌にもある襟裳岬から順次南下して行き、有珠で終る。全部で100万匹の放流だそうだ。
それが3年後の漁獲の時には何匹になっているのだろう?
折角、放流しても遠く九州やハワイの方まで行ってしまったら捕れない。
それを心配してY支社長に聞いてみた。すると、『今のところ、具合の良いことに、北海道の太平洋側から離れないようだ』と言っていた。
でも、網で囲っているわけじゃないので、私は東京湾にも泳いで来ているのではないかと思っている。
横浜の釣り好きのKさん。『王鰈が釣れたら、それは有珠で放流したマツカワですよー』