■銀座の銭湯で映画鑑賞
中央区役所から届いた区報「ちゅうおう」を読んでいたら、興味深い催し物の案内が出ていた。それは映画鑑賞会「テアトル銀座"湯”」という企画であった。
そして「銀座湯が改修工事により一時休業する為、工事準備中の浴槽を利用して映画鑑賞会を実施します」とあった。

(中央区には現在も9軒の銭湯がある)
「銭湯で映画鑑賞は面白い」と思い、上映作品の「超高速!参勤交代」は面白くなさそうだが、今も銀座に残る銭湯を見に行くことにした。
早速、ネットで区役所のHPから申込をした。
その結果、3日間のイベントだが、10月9日分が抽選に当たった。

午後6時半開演予定の、30分前に銀座湯に行った。
私の目的は映画ではなく、古い銭湯の色々な写真を撮ることである。
入口を入ると、男湯と女湯に左右に分れる。今回の映画上演は右側の女湯で行われる。
右側に入ると木製の下駄箱が並んでいる。靴を入れて、差し込み式の鍵をかける。左手は少し高い位置に番台がある。昭和の世界に紛れ込んだような気分になる。

脱衣所は狭いが、棚の上に懐かしい黄色のプラスチックの手桶が置いてある。銭湯とコーヒー牛乳もお決りである。案内役の女将さんに聞いてみた。
私 「コーヒー牛乳は売っていますか?」
女将「今日は無いが、いつもはある。でも昔の牛乳ビンと違って、今は紙パックの牛乳です」。

スリッパを履いて、脱衣所右手の上映会場の洗い場に降りる。
そこには20脚ほどのパイプ椅子が並べられている。
その奥が浴槽だが、それほど大きくないので5人くらいしか入れないだろうと思う。私のお目当ての壁画である。風呂屋の壁の絵といえば、富士山に決っている。

ところが銀座湯は「花火」だった。しかも映写用のスクリーンが設置されていて半分しか見えない。
私 「風呂場の壁の絵の写真を撮りたいのですが、男湯の方の撮影は出来ませんか?」
女将「工事中で入れません」
残念だが、仕方ない。
午後6時半になり、区役所の係員の挨拶で映画会が始まった。

今回の映画「超高速!参勤交代」はコミック風で、私の好みではなかった。午後8時半に映画は終り、アンケートに答えて外に出た。
銀座通りをブラブラしながら、バス停に向かう。
店は殆ど閉まっているが、大勢の外国人観光客が何かを求めて歩いていた。

「テアトル銀座湯」はこの日の為に、浴槽にスクリーンを支えるために置かれた台)
(おまけの話)
私は銭湯はあまり好きではないが、温泉は大好きである。
子供の頃から我が家には内湯があったので、銭湯にはあまり縁が無かったからだと思う。
その頃は誰でも銭湯に行くのが普通で、3日に1度くらいで行っていたと思う。今では考えられないが、我が家でも風呂は2日に1度だったように覚えている。

温泉好きの私は数年前までは「秘湯研究会」を作って会長に収まり、友人達を誘って色々な温泉に行っていた。
最初の頃は東北の温泉が気に入っていて、度々、入りに行っていた。
その時に参考にしたのが、同級生の作家である嵐山光三郎の書いた「快楽温泉201」という本だった。

私が伊達市に行くようになってからも、天然温泉好きはおさまらず、アチコチと行った。伊達市の温泉好きのHさんや、無理に誘って一緒に行ったKさんなどが懐かしい。
特に胆振地方の温泉には素晴らしい天然温泉があり、しかも自然の中で無料で入れる。
伊達市の長老を3人誘って、4人で行った「熊とマムシの出る温泉」は懐かしい。今では楽に行ける温泉旅館に行くようになってしまった自分が情けない。
