■弄月町249番地の風景。
ここは弄月町249番地。 昔はこの辺り一帯は畑しかなかったと聞きます。
引越してきた頃はまだポツポツとしか家がなく、かつては畑だったということを証明するかように、庭のあちこちからアスパラが顔を出したりしていました。
ちょうど海からの吹き上げの風と、山からの吹き下ろしの風が交わるこの場所は、伊達のチベットと呼ばれていたそうです。
そんな話を他所者の私が知る由もなく、住んでみて驚かされることが多くありました。
風の強さは半端ではありません。
鯉のぼりの支柱が根元から折れるほど。
網戸が飛んで壊れることもしばしば。
冬は西風の当たりが酷く、ちょうど吹き溜まりポイントになっていました。
お陰で色々な物が我が家の玄関先に集まってきました。
もっとも、届いて嬉しい物は一つもありませんでしたが。
あれからもうすぐ25年が経とうとしています。
4半世紀です。
そう表現すると長くてビックリです。
ここが終の棲家になるかどうかは分りませんが、確実に私の故郷になりつつあります。
25年のうちに弄月町も様変わりしました。
まだ少し畑が残っていますが、住民も迷う位に入り組んだ住宅街になりました。
数年前に、地価上昇率全国1位にも輝きました。
弄月町ではないけれど、北舟岡の駅にほど近い市営住宅だった「みはらし住宅」はいつの間にか全て取り壊されました。
草はらとなった空き地には、かつては花壇に咲いていたはずの花達が取り残されています。
ここにもいつか立派な住宅が立ち並ぶのでしょう。
先日、家の前の空き地の草刈りがされていました。
きれいに草を刈られた跡に、真っ先にやってきたのはセキレイ。
この辺りには良く現れます。
虫でも食べているのか、忙しなく動き回っては何かを啄みます。
忙しないあの動き、妙に親近感を覚えます。
「落ち着けー!」って感じで(笑)
彼らはれっきとした鳥なのに、何故か地面をセカセカ走りまわっていることが多いのが不思議。
だから、屋根の上に留まっているのを見付けた時、とても驚いてしまいました。
「そう。あなた、ちゃんと飛べたのね。」と。
カラスも草刈り跡は見逃しません。
セキレイと喧嘩をすることなく何かをパクパク食べていました。
ふと、M田さんちの高い無線アンテナに目をやると、いつものように留まったカラスが見張りをしていました。
N山さんの工房からは、焼き釜の火の音が聞こえます。
何か作品を焼いていらっしゃるのでしょう。
すると、ひょうひょうとした表情で三毛猫が通り過ぎました。
時々黒猫もやって来ます。
家に向かって左側から裏庭に回り、ぐるっと1周して右側から出て来る。
だいたいがそのルートです。
駄菓子ルームの常連さん、Kちゃんが現れました。
母とのおしゃべりも楽しみにして来てくれる小学4年生です。
3歳の時からのお得意さんです。
弄月町249番地。
平和な風景です。
いつまでもこの平和が続きますように。
さて、こちらは特別出演。
伊達道の駅にいた猫さんです。