■駄菓子カフェれん13歳を過ぎて~いま思う正直な気持ち。
昨年、関東から伊達に移住して30年が経ちました。 当時幼かった二人の子供たちは、今ではそれぞれママになり、パパになり、私は4人の孫を授かりました。
そう思えば長い年月ですが、思い返せばつい昨日のように感じるあの頃です。
久々の更新となってしまうブログですが、今日のお話は、いつも『駄菓子カフェれん』を気にかけてくださる皆様へ、私の誠実な想いを綴ったメッセージです。
れんの森の梅花空木
移住した当初は、なかなか馴染めない土地に暗い日々を過ごしました。
けれども30年目の昨年、初めてようやく“ここを終の住処にしたい”と思うことができました。
言い換えれば、郷土愛を初めて心から実感した瞬間でした。
この地の山に、海に、川に、生き物に、植物に、今更ながら深く愛を感じたのでした。
同時にそれは、私にとっての原点回帰でもありました。
山と対話をし。
海と対話をし。
川と対話をし。
生き物を愛でる。
植物を愛でる。
そんな時間が何よりも好きだった子供の頃の自分に、この年齢にして戻ってしまいました。
本当の事を言えば、もうとっくの昔から分かっていたのに、それを自覚して行動をするチャンスが無かったのだと思います。
物事やはりタイミングがあるのですね。
玄関前の京かのこ
つまり、私の活動の第一ステージは自然の中であるとようやく確信を得たのです。
そんな私に、そのためのステージを提供してくれる方たちも現れました。
有り難い事です。
自分がもっとも自分らしくいられるところがあるということは幸せなことです。
それは、自然との…、目指すは地球との(当然全然まだまだですが…)橋渡し役・案内人という仕事です。
この仕事を通して、一期一会の繋がりを大切にしながら、地球の素晴らしさと楽しさと恐ろしさをお伝えし、この星に生きている喜びを共に分かち合うことが出来るかもしれないという期待に胸を膨らませています。
時折、「人間なんてめんどうくさい」とか「この山の岩になりたい」とか「この海の波になりたい」とか「この川辺に立つ樹になりたい」とか思ってしまうこともありますが、でもやっぱり人間が好き!と思うのです。
塀際の山紫陽花
さて。
もう一つのステージ、駄菓子カフェれん。
駄菓子カフェれん は、先日の24日にお陰様でオーブン13周年を迎えました。
オープン前に植えた木々は屋根よりも高くなり、玄関前に植えた花は今も健在です。
実は誕生日当日、母も夫も誰も気付かない中、私一人、心の中で誕生会をしました。
なんとなく、人知れずひっそりとお祝いしたい・・・そんな心境だったからです。
9年間勤めた前職を辞め、母と二人で開業すると決めた時のあの気持ちを、しみじみと思い起こしていました。
不安に押し潰されそうだった初めの5年間。
そんな苦しい時を二人で乗り越える内、少しずつ増えたお馴染みのお客様。
地域の皆様に受け入れていただき、遠方からもお越しいただき、れん は今もここに在ります。
13回目の誕生日が迎えられたのは、多くのお客様、多くの友達が支えてくださり、家族が支えてくれたからに他ならず、心から溢れる感謝の気持ちで一杯です。
れんの森のエゴノキ
駄菓子カフェれん においてのお客様との時間はかけがえのないものです。
ここに居ながらにして、大好きな方達がれんを訪れてくださる。
カフェルームについては、毎年長いお休みをいただいているにもかかわらず、再開を楽しみにしてくださっているお客様が多くいらっしゃる。
そして、最強の助っ人である夫の存在も大きい。
全てが有り難く、本当に幸せです。
ところで。
再び私。
残る人生は、健康ならばおそらく15年?20年?あるかないかでしょう。
願わくば、あと20年くらいは生をいただきたいけれど、それは神様がお決めになること。
寿命は私の思い通りにはいきません。
けれども、この先の自分の人生の在り様は、自分で決められるはず。
様々な障壁はあるでしょうけれど、今思う事を今行わずしていつするの?
そう自分に問いかけました。
そして。
一つ答えを出しました。
それが、昨年から徐々に始まっていた“カフェルームの不定期営業”です。
今年はそのことをはっきりとHPに明記することにしました。
カフェルーム営業は、週に1日のこともあるかもしれませんし、週に5日のこともあるかもしれませんし、営業日の無い週もあるかもしれません。
お客様には大変ご迷惑をおかけする事は重々承知いたしております。
申し訳ございません。
どうかこの我が侭をお許しいただきたいと思います。
れんの森のヤマボウシ
これは、私にとってのバランスです。
まだ釣り合うかどうかは分かりません。
支点をどこに置くのがベストなのか?
来年もまた軌道修正をしなければいけないかもしれません。
けれども現時点での支点は、ここでした。
さて実は・・・。
今年になり、伊達に住む大切な友達が二人も立て続けに亡くなりました。
一人は今月の半ばに一緒に函館旅行をする予定でした。
もう一人は、「理恵ちゃんのカフェが再開したら一番で行くからね」と言ってくれていた友達でした。
悲しすぎる出来事です。
でも、次の瞬間の命の存在なんて誰にも分からない。
先ほど、残りあと15年?などと書きましたが、そんな保証なんてもちろんありませんね。
そんなこともあり、昨年までの、心身の無理の積み重ねはもうやめることにしました。
がむしゃらは私の持ち味でしたが、年齢も考えなければ体を壊すという事もようやく分かりました。
これからは、私らしい生き方の原点に立ち戻った自分に、素直に正直に生きる努力をしてみようと思います。
本日は、今年の営業を再開して二週間目の最終日です。
そして7月最初の日。
13年前の今日は、最初の人波が引き、徐々に静かな静かな店になっていく引き潮の始まりの一日目でした。
6年目から今日までは、れんらしさとなった凪の日々です。
駄菓子カフェれんをご愛顧くださるお客様に、もっと早くこのことをお伝えするべきでした。
今になってしまったこと心よりお詫び申し上げます。
不定期営業にもかかわらず、営業日をご確認くださった上でお越し下さるお客様、本当にどうもありがとうございます。
今後の営業日は、むしゃなび・FB・店頭のお知らせをチェックしていただけましたら幸いです。
なお。
駄菓子ルームは、母が店に立てる限りは続けると申しております。
駄菓子屋は、母にとっての唯一無二ですから。
長文を最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
今後とも 駄菓子カフェれん をどうぞよろしくお願いいたします。