「いとをかし」な日々

「ねえねえ！なんかガサガサ音がしない？」 
「ほんとほんと！音がだんだん近づいて来ているみたい...。」 
「何かしら何かしら？もしかしたら、誰かが黄色い袋に入れられちゃうんじゃない？」 
「うそ~！いやよそんなの！それなら暗くてもここで皆で静かに暮らしていた方がいいわ！」 
「そうよ！そうよ！あんな黄色い袋になんか絶対に入りたくないわ！」 
「あっ！キャ~眩しいー！」 


はい！その蓋を開けたのは、べーちゃん。 
ときどき、コメントを入れてくれるべーちゃんです。 
 
彼女は、自宅の押入れをガサゴソ探し、珈琲カップ＆ソーサーを見つけました。 
それは、３０年ほど前に彼女と彼女の家族が使っていたものでした。 
 
 
 
そして、この娘が「れん」に嫁入りすることになったのです。 
本当は、５客セットなのだそうですが、お嫁さんは一人で良いので、１客だけいただくことになりました。 
使われていたわりには、なかなかの器量良し。 
おまけにいただいたシュガーポットは、ちょいと派手好み。 
写真の右側に写っている物がそれです。 
だいぶレトロ感たっぷり。 
こちらは未使用なので、３０年の眠りから覚めて、ようやくデビューとなるわけです。 
どう？ 
どちらもかなりの存在感でしょ？ 
 
このカップは、現在「れん」のカップボードに並んでいるもの達より、１０歳位若いのでとても目立ちます。 
何故なら、唯一高台の付いたカップだからです。 
長い間、暗い押入れで静かに暮らしていたこのカップ。 
３０年振りの光を浴びて、今、誇らしげに輝いています。 
カップボードに定位置を与えられ、いつも人待ち顔で、誰かの口に珈琲を運ぶのを、楽しみに待っているのです。 
 
新入りさんが来て、しばらくカップボードはざわめいていましたが、一番の天敵は私かも。 
せっかく来てくれたお嫁さん。 
洗う時に割ってしまわないように、私が一番気をつけないと...(^^;) 
 
それにしてもこのカップ、べーちゃんちではどんな物語を作ってきたのでしょう？ 
これからは「れん」で活躍をしながら、新しい物語を作っていくのです。 
 
嫁ぎ先に希望を抱えて来てくれたのです。 
残された４客のカップ達のためにも、末永く幸せに暮らせるように、大切にしてあげたいと思います。 
 
さて、話は変わって人間の嫁入りの話。 
先日、娘のウェディング姿の写メが届きました。 
私はビックリ仰天！ 
何なの？一体いつの間に...？ 
 
後で、ただ単に着る機会があって着ただけ...ということが分かり、何故かホッとしてしまいました。 
でも、その姿のなんて可愛いこと...（←親オオバカ）。 
次には勝手な妄想がどんどん膨らみ、オロオロとした気分で胸は一杯になり、迂闊にも涙がこぼれてしまいました。 
あ~あ~こんなんじゃ、本番が来たらどーすんだろ私(^^;) 
 
こんな話、”珈琲カップの嫁入り”の話で思い出すなんて、いやはやまったく...なんだかなあ...。