■大人の遠足続きの話し~ウキウキ出来ない拾いもの。
夏山で遊んだあとは、夏海へ繰り出しました。 今回は三人で大人の遠足。
第二イベントは、”イタンキ浜とトッカリショで遊ぼう!”です。
海には不似合いな格好でイタンキ浜に着くと、私たちにはちょうど良い優しい波。
すると、波から遠く離れたところに監視員がひとり。
いえいえ、違います。
カッコいいおじさまサーファーズのひとりでした。
その重鎮の話によると、先日の台風の余波で入った高波の時、沖に流され漁船に助けられたサーファーがいたとか・・・。
自分が波乗りをしない日でも、技術に合わないことをする”テケテケ”(←業界用語で初級者サーファーのことだそう)を注意する為にこうして監視しているのだそうです。
ありがたいことです。
私たちも、この日「サーフボードも積んで行こうか・・・。」そんなことも思いました。
けれども、大震災の後の新盆でしたので気が引けて止めたのでした。
「テケテケは来週来ますのでよろしくお願いします!」
そう重鎮に挨拶して、イタンキ浜を後にしました。
次に向かったのはここ。
白い砂。
青い海。
断崖絶壁に囲まれた魅惑の海。
トッカリショです。
長い階段を下りてみました。
近くで見ても本当に綺麗。
けれども、もう少し上の浜辺はもの凄い漂流物の山でした。
「台風の時に流れて来たのかな?」
そう思いながらゴミの山を見ていると、陽の光を受けてキラッと光る物を見付けました。
浮き玉です☆
その後にももう一つ。
Solusさんのブログを読んで以来、ずっと拾ってみたかった浮き玉をついにゲットしました!
やった~!
ウキ♪ウキ♪と、得意げにふたりに見せました。
けれども、代わりに見せられた写真にショックを受けました。
下安家。
それは、大津波に襲われた岩手県の漁村の名前でした。
ということは浮き玉も・・・。
ガラスの玉が、一瞬にして鉄の玉のように重く感じられました。
どうしよう・・・。
綺麗に洗ってみたものの、この後どう扱って良いのか分りません。
先日、大震災に関連するボランティア活動を続けている、アクセサリーと布小物作家の『~あや~』さんが話していたことを思い出しました。
「夏休み、福島から遊びに来た子供たちが、突然振りだした雨を見て凍りついてしまったんです。」
放射能を心配する親に、「絶対に雨に濡れてはいけない。」といい聞かされているのでしょう。
この子供たちは、北海道までフェリーで来たのだそうです。
当然のごとく、「海の上は恐い。」「エンジン音が地震の時の地鳴の音に似ていて恐い。」と、子供たちは訴えていたそうです。
諸々の事情があるとは言え、陸や空を選んであげることはできなかったのでしょうか?
ボランティアも何もしていない自分のくせに、そんなことを思ってしまいました。
もちろん、この企画にかかわっている方々には感謝と敬意を表します。
なんだか、このもやもやとした気持ちを表現できません。
岩手から流れてきたかもしれない物を拾って喜んでしまった自分も含め、何気なく無邪気な日々の暮らしの中で、心を添わせるということの難しさ、そして「よかれ」と思ってとった行為さえも、時には傷つけてしまうという難しさを改めて思い知らされました。
大人の遠足第二イベント”夏の海”は、思いがけず、深く重いものになりました。
でも・・・。
ごめんなさい。
やっぱり海は好きなのです。
心を傷めても。
青く澄んだ海は、遠足中の三人の心を洗ってくれました。
*1~3枚目の写真は、iketakさん撮影です。