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[2013.08.14]
■大人の絵日記~その1.江差姥神大神宮渡御祭
カフェルームは、10日から13日まで夏休みをいただいていました。 
 
告知不足で、足をお運びくださったお客様には、大変申し訳ございませんでした。 


夏休みに、なんとか楽しい絵日記を描かせてあげようとする親のごとく、今回も影むしゃが盛り沢山の企画を組んでくれました。 
 
初日は江差でした。 
 
数年前にも訪れたことがある『江差姥神大神宮渡御祭』の観覧です。 
 
 
 
以前は大雨に祟られ途中退散しましたが、今年の天気は祭り日和でした。 
 
『江差姥神大神宮渡御祭』は北海道最古の祭りで、ニシンの豊漁に感謝する気持ちを込めて行ったのが起源とされています。 
今年は370年目にあたる祭りでした。 
 
神輿(みこし)に供奉する13台の山車(やま)が、京都の祇園祭りの流れを汲む祇園囃子の調べにのって町を練り歩く様子は、とても豪華で煌びやか。 
この町の者でなくても、心湧き踊り、胸が熱くなるものでした。 
 
 
開始前の「魂入れ」の儀。 
 
 
町内をねり歩く前に、各山車のお囃子コンテストがあります。 
 
 
 
 
松が描かれた帆をかけているのは、弘化2年(1845年)、近江屋利兵衛という人が大坂の船大工に頼んで作った総檜の弁財船の山車です。 
他の山車には全て人形が乗せられているのですが、この『松寶丸』には船頭として船首に子供が乗っています。 
今年は小学校3年生の男の子でした。 
綺麗に化粧をし、口をキリリと結んだ顔が可愛らしかったです。 
 
そして夜。 
いよいよ練り歩きが始まります。 
 
 
 
 
 
 
 
この祭りでは、年代ごとにそれぞれが役割を果たしています。 
どの山車にも周りには幼児が乗ります。 
小学生になると、山車の引き手から始まりお囃子の太鼓や笛の演り手となります。 
練習は夏休み前から始まり、本番に向けて家でも練習を怠らないのだそうです。 
中学生になると山車の上部に乗り、熊手のようなもので電線をさばく「線取り」の役目を果たします。 
また若者衆は「舵取り」、すべてを束ねるのは「頭取」といったようにきちんとした上下関係があり、その精神が幼い頃より魂に刷り込まれて行くのだと聞きました。 
 
ここ!という見せ場では、笛と太鼓と鐘による優雅な祇園囃子に、引き手たちの囃し歌が加わります。 
山車の上にいる「線取り」と引き手の若者たちが「一銭ケレ、一銭ケレ、一銭もらって何するの、釣り竿買って針買って~」と歌いながら激しく踊る時だけは、それまでの優雅さは消え、若い血が沸騰する瞬間となります。 
 
辺りが真っ暗になり、町の練り歩きを終えた豪華絢爛な山車が、姥神神宮前の広場に集結すると、それはそれは見事でもの凄い迫力があります。 
 
 
上の写真の中央付近に神輿を担ぐ様子が見られます。姥神神社に戻って来た3基の神輿の「宿入之儀(しゅくいれのぎ)」です。 
白装束の若者がたいまつの炎で参道を清めるように先導し、神輿の宿入を促しますが、神様はあまりにも祭りが楽しいため拝殿に入るのを嫌がります。 
そのため、3基の神輿は一度で納まろうとせず、1基目は7度、2基目は5度、3基目の2トンの重さの神輿は3度と広場と神社を走って行ったり来たりします。 
 
祭りはここで最高の盛り上がりを見せます。 
 
 
2日目の祭りが終わった23時半頃、表情一つ変えない12台の山車の人形たちとは対照的に、『松寶丸』の船首に正座した船頭役の小学3年生の男の子は疲れに耐えうる我慢の限界か、キリリと結んでいた口は大きく開き、夜空を仰ぎながらご就寝中でした。(笑) 
可愛かった☆ 
 
皆さま、お疲れ様でした。 
 
そして、江差の暑く厚く熱い夜は更けて行きました。 
 
*祭りの解説は、「姥神大神宮渡御祭の熱い夜密着記」を参考にさせていただきました。 
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日々の暮らしの中で、出会った「いとをかし」な人・動物・物・風景などを綴ります。 
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(大辞林より抜粋) 
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