■春から秋の山歩き~その1「青い鳥に出会った」
今シーズン初の山歩き。 昨日は有珠山に登りました。
まず早朝、ごん太を連れて海へ。
このところ足取りがすっかり重くなり、排泄で座ることも日に日に辛そうになってきています。
一度に出し切ることが出来ないので、唸りながら何度も何度も足を震わせ座る姿に、手を貸すのさえ躊躇ってしまいます。
何故なら、その姿は犬の尊厳を守ろうとしているように見えるから。
必死に頑張るごん太に「頑張って・・・」と声をかけるのが精いっぱいな私です。
それでもお散歩が大好き。
「行くよ~」と言うと、くるくる回って喜びます。
そして、最初の15m位は以前のように私を引っ張り、先を急ごうとするのです。
けれども、そこまで。
その後は、帰ってくるまでヨタヨタです。
ごん太と有珠山に登ったのは、昨年の秋でした。
あの時も既に病魔に侵されていたはずのごん太。
でも、元気に登り走って下りてきたのです。
昨日は、そんなことを思い出しながら一人で登ってきました。
朝から強い風が吹き、有珠山方面は霞がかかっていたので眺望は期待できませんでしたが、例年より二週間早いと言われる花が楽しみ。
いつもより遅めに家を出て登山口に着くと、かなりの数の車が止まっていました。
身支度を整え、登り始めたのは10時。
歩きはじめてほどなく、大きな栗の木に会いました。
そうそう!
そう言えば昨年、ごん太と登った時に栗を拾いました。
登って行く道すがら、「ああ、この辺りで水を飲ませたなあ・・・」とか、「ああ、この辺りでおにぎりを食べさせたなあ・・・」とか、「ああ、この辺りでコクワの実を見つけたんだった!」とか、そんなことを思い出しつつ歩を進めると、エンレイ草の群落があちこちに見られました。
昨年6月の初めに満開だった紅花イチヤクソウ。
もうすぐ咲きそうです。
花たち以外に登り途中で出会ったのは、ご夫婦やご家族。
有珠山は、ファミリー登山を楽しむには、植物も鳥も地形も楽しめる絶好の山です。
そう言えば15年ほど前に、家族で登ったこともありました。
あの頃から見たら、登山道(遊歩道)もきれいに整備されて、登りやすくなりました。
そんなのんびり山歩きを楽しむ方たちとは対照的に、歩きだし10分ほどでトレーニングモードに「ピッ!」とスイッチが入ってしまった私。
7~8組を追い抜きながら、たったかたったか走るように登ってしまいました。
悪い癖…。
何をしても優雅にゆったりと行動できない…。
そんな調子で歩き、外輪山に着いて時計を見たら40分掛かっていませんでした。
反省…。
良くない歩き方です…。
しばし外輪山から火口を望み、ぼんやりと霞んだ内浦湾を眺めました。
風が強く寒かったので、早々と下山開始。
中ほどまで下ったところで、どこからともなく飛んで来た一羽の鳥が目の前で止まりました。
「青い鳥!!」
写真では見たことがあるけれど、実物を見たのは初めてでした。
瑠璃色でとっても綺麗!
なんとか写真に納めようと遠くから追ってみましたが、だめでした。
そ~っと行方を追いながら、メーテリンクの「青い鳥」を思い出しました。
「実は本当の幸せは、あなたのすぐそばにある」というお話。
「今が一番幸せ」いつもそう思いながら生きていきたいなあ。
そんなことを思った瞬間、青い鳥を見失ってしまいました。
あのお話に出てくる青い鳥のモデルは「キジバト」だそうですが、私が見たのは多分「オオルリ」。
ほんの数分間の出来事でした。
この不思議な出会いの後は、またもや「ピッ!」とトレーニングモードにスイッチが…。
走って下りました。
そう、昨年ごん太と走り下りたことを思い出しながら。
下り所要時間30分丁度。
やっぱりこれが私のスタイルなのかも。
こうしているのが幸せなんだわ…きっと。