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[2008.06.07]
■改めて健康のありがたさを実感しました。
忘れもしない2月29日。 
母の顔が突然歪んでしまいました。 
病名「右顔面神経麻痺」。 
実は29日の夜の便で母と二人、父の7回忌の法要のために東京の神楽坂へ飛ぶはずでした。 
けれどもドクターストップがかかり、飛行機もホテルも全てキャンセルし、私たちの代わりは娘と息子に務めてもらうことになったのです。 


この日から、母の約3か月に渡る辛く悲しい日々が始まりました。 
「生活スタイルは今までと変えず、店にも出て人と接していた方がいい。」という医師の勧めで、駄菓子ルームの仕事も休まず続けていた母。 
別人のように変わってしまった顔で、必死に笑顔を作ろうとする母。 
吊り上ってしまった口は大きなマスクで隠したものの、思うようにしゃべれない…。 
子供たちにも大人にも、心配したお客様から事情を聞かれ、その度に上手く回らない口で正直に説明をする母。 
有り難いことに、お客様はそんな母に同情して励ましてくださいました。 
それでも、その姿が可愛そうで可愛そうで…。 
私が同じ状況に遭ったなら、きっと店に立つ勇気はなかったと思います。 
医師から勧められたとはいえ、気丈に接客をする母を心から尊敬しました。 
プロ意識とでもいうのでしょうか…? 
 
けれども、お客様がいない時は部屋で常に鏡を見ながら泣く母。 
74歳とはいえ女性なのです。 
到底自分の顔とは認めたくない顔を嘆き、悲しくてしょうがないのです。 
「二か月で治ると言われたのだから大丈夫よ。」 
「どんな顔になってもお母さんはお母さん。何も心配いらないから。」 
「鏡ばかり見てないで、暇な時はテレビを見たり旅行雑誌でも見ていたら?」 
けれども、どんな言葉も母には届かず、どんどん落ち込むばかりでした。 
 
なんとか二か月を乗り切ったのですが、二ヶ月目の母の顔は元通りではありませんでした。 
だんだん焦りが出てくる母、私も不安になってきました。 
「もうほとんど元に戻ったじゃない!」 
本当はそうは思っていなかったのですが、それ以外にもう母を励ます言葉が見つかりませんでした。 
そうこうする内、今度は極度の不安から胃炎になってしまったのです。 
胃カメラで撮った写真には、赤くただれた胃の壁が写っていました。 
少しでも何かを口にすると、具合が悪くなりうずくまってしまいます。 
5月半ばの夜中に二度、救急外来に走りました。 
いただいた薬もまったく効き目がありませんでした。 
 
そして次は腸が痛いと…。 
ついに、大腸の検査もすることになりました。 
これがとても辛い検査らしく、一週間前に予約をしてから当日までの7日間がまたストレスの日々となってしまったのです。 
5月20日検査当日。 
母も私もお互い口には出さなくても、「何か悪い結果が出るんじゃないか…?」という不安で一杯でした。 
この日は「れん」を17時閉店にして、病院まで迎えに行くことになっていました。 
 
ところが・・・。 
15時半頃、一人ひょっこり母が帰ってきたのです。 
「どうしたの!?」 
「もう終わった。」 
「それでどうだったの!?」 
「なんともないって。」 
「え?なんともないって、どこもなんともないってこと!?」 
「そう。」 
そう言うなり、駄菓子ルームに入ってきたお客様の接客を始める母。 
私は安堵感とともに脱力感で、全身の力が抜けてしまいました。 
「よかった…。本当に良かった…。」 
 
その晩、ニコニコ夕食を食べた母。 
「食べても痛くないの?」 
「そう言えば、ぜんぜん痛くないわね。」 
昨日まで、一口何か食べただけでうずくまっていた母は、そこにはもういませんでした。 
右顔面神経麻痺発症から3か月。 
悪夢のような時期を乗り越えた母は、「大腸検査異常無し」のお墨付きをいただいたと同時に、全ての症状から解放されたのです。 
 
「病は気から」 
 
私はそれを目の当たりに見せてもらいました。 
「もう元には戻らないのではないか・・・。」 
そう思い、ひどく悲観して卑屈になっていたこともありました。 
でも「それではいけない。」と思い直し、「絶対に治してみせる。」という強い意志を持ったこと、そして強い運に恵まれたことが病を治したのでしょう。 
母の顔は元の八重ちゃんの顔に戻りました。 
 
ところで私のこと。 
同時期にいくつかの心労が重なった私は、母の回復にホッとし、すっかり「気」が緩んでしまいました。 
で・・・、今度は私が風邪を引いて熱を出してしまいました。 
「気」は、張り過ぎても緩み過ぎてもよくないようです。 
初めてエントリーして楽しみにしていた「JAL千歳国際マラソン」も残念ながらパスしてしまいました。 
 
「病は気から」 
 
お返しのように、今度は母にその姿を見せてしまいました。 
健康であるということは、素晴らしいことですね。 
今月は二人元気にスタートしましたよ♪ 
 
PS.この話題は、3月の初めに「ブログには書かないでね」と母に言われていたことでした。 
でも、たくさんの方々にご心配をいただいたので、お礼とご報告をかねて書きました。 
74歳のおばあちゃんでも、気合いで元気を取り戻せる! 
そのことが、最近なんだか元気がなくなっている方の、少しでも励みになれば幸いです。 
皆様、母に色々と優しくしてくださって、本当にどうもありがとうございました♪ 
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▼コメント(2)
名前:Rietty  2008.06.07 23:09:56
さとさん、まだ足が痛むのかしら?  
テレシーズン中は、とても精力的に滑っていましたね♪  
今シーズンは、バックカントリーツアーのブログが多くて、「いいなあ・・・。」の独り言を連発しながら、いつも拝見していました。  
けれども、さとさんはあまりお元気ではなかったのですね。  
それでは、私たち親子のちょっと怪しげなパワーをグググワア~ッ!!と送りまーす♪ 
名前:さと  2008.06.07 21:07:49
辛い日々が続いていたのですね。  
お母さまの気持ちを思うとたまらない気がしてきますがさすが親子、Riettyさんもお母様も乗り越えられるバイタリティを感じます。  
私もこの頃ちょっと元気がないの・・・  
でもこのブログで励まされました。ありがとう!頑張るわ。  
お二人とも無理をせずにお過ごしくださいね。 

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☆ブログの解説 
日々の暮らしの中で、出会った「いとをかし」な人・動物・物・風景などを綴ります。 
「いと」 
1)非常に。大変。事態が並々でないさま。本当に。  
「をかし(おかし・い)」 
笑いたくなるような面白さがある。滑稽である。普通でなく奇異な感じがする。異常だ。変だ。興味深い。おもしろい。風情がある。情趣がある。優れている。立派だ。ほほえましい魅力的なさま、心をひきつける趣深いさまを表す意。 
(大辞林より抜粋) 
さて今日は、どんな「いとをかし」に出会えるかしら...。 
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