「いとをかし」な日々

えっ！？ 
なんて際どいタイトル！！ 
 
 
その別れたけれど大好きな方から、毎年「たけのこ」と「そら豆」が届きます。 
「もう別れたのですから…。」と、一時は丁重にお断りをしたのですが、亡くなったお母様との約束もあるし、どうしても私に食べて欲しいと送ってくださるのです。 


「たけのこ」は早春に届いたので、4月の「れん」再開には早過ぎて皆様に食べていただくことができませんでした。 
静岡産のそれは、北海道の根曲がり竹とは違う孟宗竹です。 
根元近くに大きな切り込みを入れ、糠と唐辛子を入れて1時間くらい茹で、そのまま一晩冷まして味付けをします。 
とても手間が掛かるのですが、私にとって馴染みの深い孟宗竹、これを食べなくちゃ春が始まらない！と言ってもいいほど。 
あと、「ふきのとう」と「せり」。 
これが私の春の食べ物三大大好き♪ 
でも、こちらに来てからは「せり」はなかなかお目に掛かれないから、今では三つ目の座は「タラの芽」か「ウド」に変わろうとしています。 
 
そして今回は、「そら豆」が届きました。 
 
 
こちらは千葉産。 
職場の方のご実家が千葉で農業を営んでいて、「そら豆」を作っておられるそうで、そこから直接送ってくださっているのです。 
「そら豆」は亡き父の大好物でした。 
父と食べ物の好みが似ていた私も、もちろん大好物。 
食べ出したら、やめられないとまらない♪ 
でも一人占めするのはもったいないので、「れん」のメニューにも加えさせていただいています。 
 
「○○○」を見るとあの人を思い出す。 
そういう物って、誰でも何かしらあると思うのですが、その方は、父と私が大好きな「たけのこ」と「そら豆」を見ると、私に送りたくなるのだそうです。 
本当に申し訳ない気持ちと本当に嬉しい気持ちが交錯して、複雑ながらも感謝の気持ちで、いつもありがたくいただいているのです。 
 
今は東京に住んでいるけれど、北海道出身のその方へ、私からはアスパラとホタテを送っています。 
そのどちらも、その方とそのお母様がとてもお好きな物。 
私はその二つを見ると、お二人を思い出すのです。 
きっとお母様がご健在の頃は、私からではなくお母さまからその二つが送られていたことと思います。 
 
さて、もしこのお二人に私の娘が加わって歩いていたら・・・。 
その方のお母様は、正真正銘の娘の祖母にあたる方ですし、「たけのこ」と「そら豆」を送ってくださるその方は、娘の叔母にあたる方です。 
このお二人にとても良く似た容姿の娘は、きっと親子に間違えられることでしょう。 
 
私にとって「別れても好き」なその方は、実は元義理の姉です。 
でも今は、不思議だけれどお友達のような関係でお付き合いをいただいているのです。 
単純に「好き」。 
どういう関係かなんて問題ではありません。 
とてもとても大切な方です。 
 
今年も美味しい旬の味をどうもありがとうございました。