■さようなら、ごん太~15年間の回想。
15年前の秋。 家族で壮瞥のリンゴ祭りへ行きました。
と、そこに段ボールに入れられた仔犬が4匹。
そして、こう書いてありました。
「ご自由にお持ち帰りください。」
ひどい・・・。
すると、娘が「欲しい!欲しい!」とせがみました。
それに吊られて、「欲しい!」と息子。
私は、「犬を飼うのはとっても大変だから止めようね」と反対したのですが、全部自分達で世話をするからと押されてしまい、結局もらって帰ったのがごん太でした。
色々なことがありました。
もらって来てから翌年の4月まで、ごん太は家の中で飼っていました。
ところが躾が上手くできていない上、昼間誰もいなくなる家の中ではごん太の天下。
もうしたい放題!
排泄も決まったところで出来ないので、ついに柱にリードを打ちつけて廊下に繋ぐことにしたのです。
ここに来て半年くらい経ったある日、家に帰ると、柱の化粧板ごとごん太がいなくなっている。・・・。
恐る恐る中に入ると、居間の入口で柱を引っかけて動けなくなっているごん太がいたのです。
当然家の中はぐちゃぐちゃ・・・だめだわ…もう限界・・・。
優雅に家の中で飼いたかったのですが、暴れん坊ごん太は、雪が溶けたら外に出されることになりました。
また、こんなことも。
娘が小学校4年生の横殴りの大雨が降るある日。
「熱があるから迎えに来てください。」と、学校から職場に電話がありました。
急いで迎えに行き、家に帰り玄関を開けると何故か部屋から風が吹いてくる。
おや?っと居間へ行くと、閉めたはずの庭側の窓が開いていて、雨が部屋に吹きこんでいるのです。
そして、目を右へ移した瞬間驚きました。
ごん太が絨毯の上にずぶ濡れで立っていました。
驚いたことに、ごん太は前足を使って窓を開けたのでした。
ずぶ濡れになった絨毯を嘆くよりも、一生懸命窓を開ける姿を想像したら、ほんと可笑しくて、叱る気にはなりませんでした。
「お母さん、ごん太がここに居たらお留守番しても寂しくないからこのままにしてあげて。」娘にそう言われ、仕方なくずぶ濡れごん太を絨毯の上におき、一旦職場へ戻りました。
こんなこともありました。
相変らず躾のなっていないごん太は、お散歩の時も我先にと無意味にガンガン引っ張ります。
子供たちが二人がかりでリードを持っても、走らなきゃいけないほど力が強い・・・。
何しろ兄弟4匹の内、他の子たちを押しのけてお母さんのおっぱいを独占していたのではないかと思うほど、兄弟たちより一回り以上大きな子だったのです。
いつものように、リードを付け変えるや否やダッシュし出したごん太。
勢い良く引っ張られた子供達も走りだしました。
しばらくして帰って来た子供たちの膝は擦りむけ顔まで怪我をしている。
どーしたのー?
そう聞くと、息子が泣きだしました。
ごん太が引っ張って引っ張って言うことを聞かないのだそうなのです。
こんな調子だったので、お散歩と怪我はセットになってしまいました。
手がつけられないほど暴れん坊のくせに、こんな一面もありました。
とにかく力が強いので、何度も鎖や首輪を引きちぎって脱走したのですが、根は臆病ものでした。
だから、半径20m以上遠くへ行けないのです。
あ!またいない!
と気が付いても、「ごん太~!ごはんだよ~!」と呼ぶとすぐそこからひょこっと出てくる。
ある日など、玄関のドアを開けたらごん太が首をかしげてこちらを見てたことがありました。
寝言を言う。
都合の悪いことは見えぬふり聞こえぬふりをする。
怪しそうな人には吠えず、勝てそうな人にだけ吠える。
出来る芸は、お座りだけ。
強力。
構ってほしい時は、何かしらのパフォーマンスで気を引こうとする。
一番得意げにするパフォーマンスは、プルーンの葉っぱかじりでした。
ジャンプして出来るだけ高い所の葉を咥えてかじる。
ただそれだけなのに、「こんなこともできるんだよ!」って顔が、可笑しかった。
とにかく表情豊かなごん太だった。
我儘でマイペースなごん太でしたが、私たちのことは愛してくれていました。
2月の初めに余命2週間の宣告を受けたごん太。
あれから5か月。
何度も奇跡を起こして、ここまで頑張ってきたごん太でしたが、昨日夕方4時半に息を引き取りました。
奇しくも一昨日は「れん」のバースデー。
ごん太は、5周年を見届けてからあの世に逝ってくれた様な気がします。
腰が立たなくなってしまい、先週の金曜日から入院していたのですが、実は先生が驚くほどの回復を見せてくれていたのです。
ごん太は最後の力を振り絞って、「れん」の5周年を祝ってくれたのかもしれません。
昨日の朝私が面会に行った時も歩けるようになった姿を見せてくれて、優しい顔で私の手や顔をペロペロ舐めてくれたのに・・・。
「明日、お家に帰ろうね。」と約束して別れたのに・・・。
その時が、温かいごん太を抱いた最後の時間になってしまいました。
昨晩はごん太の隣に布団を敷き、お通夜をしました。
今も隣にいるごん太は、まるで眠っているようです。
癌でしたが、苦しむことなく静かに逝ったと聞きました。
先生は、「癌の死に方ではありませんでしたよ。老衰の死に方です。ごん太君も飼い主さんもよく頑張りましたね。」と言ってくださいました。
伊達動物病院の先生他スタッフの方には、本当に本当にお世話になり、心から感謝しています。
そして、ごん太のことを気にかけてくださった皆様にも、心から感謝をいたします。
「ごん太、15年間どうもありがとう。あちらに行ったら、私のお父さんに遊んでもらってね。さようなら、ごん太。」
冬に酪農学園大学へ検査に行った時の、娘とごん太です。
おしっこ中。
ごん太は、一番優しくしてくれる娘のことが大好きでした。
最後はこれかな?
お気に入りのカラーをさらにバージョンアップされた、ポンデごん太。
このスタイルで、伊達の町もルスツスキー場も闊歩していました。
珍しいばっちりカメラ目線の一枚です。
PS.昨日、夜7時以降に来てくださったお客様、申し訳ありませんでした。
早終いさせていただきました。
本日(26日)も、臨時休業させていただきます。
明日は通常通りに営業いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。