■ごん太
第一回目の「いとをかし」は、我が家の愛犬”ごん太”です。 この10月で13歳になるごん太は、13年前の「壮瞥りんご祭」会場で、”どうぞご自由にお持ち帰りください”と、眉を顰めたくなるような札を掲げられた段ボール箱の中に、3匹の兄弟と一緒に入れられていました。
子どもの頃、犬3匹、時には13匹を世話した私は、犬の居る生活は、愛おしく楽しいけれど、とっても大変だということを知っていたので、もらって帰ることに反対しました。
けれども、子ども達に懇願され、根負けしてついに折れ、一匹を連れて帰ることになったのです。
ごん太は、お母さんのおっぱいを、皆を押しのけへしのけて、我先にと飲んでいたことがひと目で分かるほど、他の兄弟達より一回り以上大きく、私達を見上げる目は、「連れてって」とアピールしているかのようでした。
13年間、彼は彼なりの苦労と幸せを味わいながら生きてきたのですが、最近、とてもとても好きな人が出来ました。
人見知りの激しいごん太が、その人が来ると、それはそれは喜ぶのです。
満面の笑みでその人を迎える、ごん太のあまりにも嬉しそうな顔を見ていると、飼い主でもヤキモチを焼いてしまう程です。
週に一度、その人に会える日を心待ちにしているごん太の姿は、ほんとに健気。
誰かを好きになると、人も犬もあんなに幸せそうな顔になるのね...。
そんな風に感じてしまいました。
晩年になり、病気でもあるごん太、あと何年生きられるか分かりません。
でもきっと、大好きな人に会う日のために、一日一日を大切に生きるでしょう。
少しでも永く、あの幸せそうな顔を見られますように..。
飼い主としても、そう願う毎日です。
おまけの写真。
さて、この写真はごん太ではありませんが、ごん太の大好きな人が撮ったものです。
映画のワンシーンのようでしょう?
1Fが物置で、2Fが自宅と思われるこの建物の、1Fの戸を自由に開閉しながら出入りし、ぬ~っと顔を出したところです。
なんとも「いとをかし」でした。