伊達市地域生活情報マガジン『むしゃなび』へ ブログ★むしゃなび トップへ [今日:2] [昨日:0] [2752] rss feed
[2006.11.28]
■ビリー・ホリデイ
「れん」のJAZZのCDは全て父の遺品ですが、一枚だけ私がプレゼントをしたものがあります。 
これは、父が亡くなるひと月前の話です。 
 
 



以前のブログで、父がJAZZ好きだった話を書きました。 
いつもJAZZがかかっている家でしたので、私も子どもの頃から聴き慣れてはいましたし、JAZZが流れていると耳に心地よさは感じていました。 
けれども特に深い興味を覚えることもなく、私はもっぱらフォークやニューミュージック、フュージョンなどが好きでした。 
 
そしてここ10年位は、ジャンルのこだわりも無くなり、「あっ、この曲好き!」という風に、ラジオやテレビから流れる好みの曲に反応する程度でした。 
 
 
父が余命あと「ひと月」を宣告されたとき、「やっぱり聞いておきたい!」と、私は急いでCDを買いに走りました。 
何を聞いておきたかったか...。 
それは、父の知るJAZZにまつわる色々な話でした。 
アーティストの話・曲の話など、父からしっかりと 
聞いておきたかったのです。 
 
本当は、父があと一年と分かったときから、私が父の気持ちを受け継ぎたいと思い、話を聞いておかなければ...と思っていました。 
けれどもそうすることは、私にとっては「不治」を受け入れることに繋がり、意地で避けていたのです。 
ですからこの時まで、どうしても素直に聞くことができないでいました。 
 
 
私は、店の入り口付近にあったワゴンセールに目を落としました。 
偶然、JAZZのCDばかりが入れられていたワゴンに 
は、色々なアーティストのものがありましたが、たまたま目に付いた「ビリー・ホリデイ」のものをとると、急いでレジへ行き買って帰りました。 
 
 
 
 
誰のCDでも良かったのです。 
ただ、話のきっかけになるものが欲しかっただけでした。 
 
「ほら、お父さん。本屋へ行ったら安かったから買って来たよー。」 
「おう。ビリーホリデイか。」 
「嫌い?」 
「いや、好きだよ。」 
「ねえ、この人どういう人だったの?」 
「ビリーホリデイは、JAZZシンガーとして類稀な才能を持っていたんだけれど、人種差別や貧困で子供頃から壮絶な人生を送って、最後は麻薬中毒が原因で死んだんだよ。それで...」 
もうこの時には、私は泣きたくなるのを必死で堪えていたので、こともあろうに父の話を半分しか覚えていないのです。 
 
きっと父は、母も私もあまり興味がないようだったので、それまでJAZZについて何かを語ろうとしなかっただけたったのです。 
父は、知る限りの彼女の話をしていました。 
 
結局私は、このビリー・ホリデイの話しか、父から聞くことはできませんでした。 
 
 
「親孝行、したいときには親はなし」 
その心境が、実感としてわかります。 
八重ちゃんは大切にしなきゃ。 
何故かしら?...急に改めてそんなことを思いました。 
 
 
<付録写真>
 
~どちらも、ご存知たまねぎです。 
でも、左のたまねぎ大っきいでしょう? 
これは、これまた知名度・人気度急上昇中の、230号線沿い「とれた」さんの作物です。 
名前は忘れましたが、右のポピュラーたまねぎに比べて、臭いが少なく甘みが強い品種なのだそうです。 
というわけで、今週の「れん」のメニューのサラダに入っていまーす♪ 
▼トラックバック(0)
このエントリへのトラックバックURL:
現在トラックバックの受信を停止中です
▼コメント(3)
名前:Rietty  2006.12.01 02:32:42
間違えました。  
「北木島」の方の娘さんが来てくださったのは、先週の金曜日でした...。 
名前:Rietty  2006.12.01 02:28:44
初雪かづらさん、こんばんは。  
 
チーズケーキは旦那様のバースデーケーキだったのですか。  
そうと分かっていれば、ろうそくやバースデープレートもお付けすることもできたのに、お伺いせずにごめんなさいね。  
でも、喜んでいただけたのなら幸いです。  
 
「れん」に来てくださったお客様が言って下さる、「美味しい」と「安らぐ」という言葉は、私にとって最高に嬉しい言葉です。  
 
ところで、「北木島の方」のこと、心配してくださってありがとうございます。  
メールをくれた娘さんは、月曜日に大きなアルバムを持ち、可愛いお子様を二人連れて来て下さいました。  
写真には、私の記憶から消えている風景が写っていました。  
彼女の解説のお陰で、写真の中の子どもの頃の彼女の横に、水着で海に浸かる自分を見たような気がしました。  
 
名前:初雪かづら  2006.11.30 22:42:19
こんばんは♪  
私も両親を大切にしなければ。。。  
 
チーズケーキ(夫のバースデイケーキとなりました)、とっても美味しかったです。  
「れん」に行くと、何もかも美味しくて、とっても幸せな気分になる、食いしん坊な私です。  
思えば、春先に初めておじゃましたときに季節感たっぷりの炊き込みご飯やサラダ、天ぷらなどをいただいたときに、来て良かった~と、すっかりファンになってしまったんですよね。。。  
しばらくお会いできませんが、冬場のお仕事の方もがんばってくださいね。  
 
そういえば、北木島の方とは無事会われたのでしょうか?私が心配することでもないのですが、ちょっと気になっていて、会えたのならいいなぁと思っていたものですから。。。 

▼コメントを書く...
*必須入力です
 「コメント」欄は日本語で記入してください。
 英字数字のみだと、コメントと見なさず投稿できません。
*お名前:
メール:
URL:
*コメント:
プロフィール
Rietty
Rietty
☆ブログの解説 
日々の暮らしの中で、出会った「いとをかし」な人・動物・物・風景などを綴ります。 
「いと」 
1)非常に。大変。事態が並々でないさま。本当に。  
「をかし(おかし・い)」 
笑いたくなるような面白さがある。滑稽である。普通でなく奇異な感じがする。異常だ。変だ。興味深い。おもしろい。風情がある。情趣がある。優れている。立派だ。ほほえましい魅力的なさま、心をひきつける趣深いさまを表す意。 
(大辞林より抜粋) 
さて今日は、どんな「いとをかし」に出会えるかしら...。 
ブログ検索