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[2007.01.27]
■大好きな椿の花に思うこと。
「あなたの一番好きな花は何ですか?」 
と聞かれたら、あなたは何を挙げますか? 
 
私は、迷わず「椿」と答えます。 


子どもの頃から動植物が好きだった私は、図鑑を見るのが大好きでした。 
中でも植物図鑑はお気に入りで、外へ遊びに行くときも持参していくほどでした。 
 
住んでいたのは借家でしたが、明治時代に建ったお屋敷だったので庭がとても広く、隣の廃屋となっていた母屋と思われる方にも、同じように広い庭が広がり大きな竹林もありました。 
そして、うちの庭と隣の庭はつながっていましたので、植物図鑑を持って自由に行き来し、探検ごっこなどをしながら、花を見つけてはしゃがみこんで調べたりして遊んでいたのです。 
 
今思い出しても、あそこならトトロやコロボックルがいてもおかしくなかった...と思います。 
実際、時折何かの気配を感じたりしたことがありましたもの。 
野鳥や虫や蛇だったのかな...? 
それとも、廃屋に何かいらっしゃったのかしら...? 
とにかく、私の格好の遊び場でした。 
 
そしてその廃屋の前に、一本の大きな椿の樹が立っていました。 
うっそうとした竹林と、伸び放題のまま枯れた草むらの中に立つ、暗いお化け屋敷のような廃屋の前にあったその椿の真紅の花は、一際目を惹くものでした。 
 
目を惹くとは言っても、すっかり魅せられて見にいく人間は私だけで、たまにいる先客は「めじろ」でした。 
どうやら彼は、椿の蜜を吸いに来ているようでした。 
そういう時は、邪魔をしないように、遠くからその様子を眺めていました。 
 
花が咲いている間はほとんど毎日、椿を見に行くのが私の日課になっていました。 
そして、散った後の赤い絨毯が、また素敵でした。 
また、秋に成る堅い実は、とても楽しいおもちゃでした。 
コンクリートでその実をこすり、穴が開いたところで中の実を取り出し、殻を綺麗に洗うと笛が出来るのです。 
そういえばこの笛は、同じ仲間の山茶花やお茶の実でも作れます。 
 
椿は、関東では2月の終わり頃から3月の終わり頃にかけて咲きます。 
そして最期は、「潔く」桜にバトンタッチするのです。 
 
そう、このように幼い頃を思い出す懐かしさと、この「潔さ」が、私が椿を最も好きな花とする理由でした。 
ほとんどの花が、はらはらと一枚づつ花びらを散らせて行くのに対して、椿の花は一気に花の形のままに”ポトッ”と落ちてしまうのです。 
 
真紅の大輪の花を咲かせ、あれだけの存在感を示しながらも、まだ見るには十分と思われる美しさを残しつつ、それでも未練を残すことなくあっさり散っていくという引き際の「潔さ」に、とても感動してしまいます。 
 
さて数年前、それまでの私の人生において、最大の辛い出来事がありました。 
 
その時、その地に向う道の両脇には、最盛の頃を過ぎた色とりどりの椿の花が、ずっと私を見守るように...というよりも、叱咤激励するかのように咲いていました。 
中には、既に道の上に落ちているものもありました。 
 
沈んだ気持ちでその道を歩いていたのですが、咲いている椿と散ってしまった椿を見た時、「潔く」という言葉が頭をよぎりました。 
そしてあの日から、新しい私の生き方が始まったのです。 
それ以来「椿」は、「大好き」なだけでなく「忘れてはいけない」花となりました。 
 
 
 
余談ですが、私が好きな「竹久夢二」も椿が好きだったようです。 
彼の絵には、よく椿が描かれています。 
店内にも飾っています。 
 
本当なら、「れん」のシンボルツリーとして植えたかったのですが、残念ながら北海道では、外で越冬しません。 
 
でも今ふと庭に目を移して、肩が”ポトッ”と落ちました...。 
まずは、ジャングルを改善しないことには、な~んも植えられませんね...。 
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▼コメント(7)
名前:Rietty  2007.01.28 13:18:47
青りんごさん こんにちは♪  
お母様のお誕生日に「椿の鉢植え」!  
「花仙山」なら、まさに可憐という形容詞がぴったりですね。  
私が幼い頃から慣れ親しんだのは、「やぶ椿」ですので、主張の強い花姿でした。  
花の話題は、ほっこりと和んでいいですよね。  
私もさっき、暮にいただいたシクラメンの話を母としていたところです。  
お部屋で椿の花見♪  
とっても素敵☆  
きっと、実もたくさん付けるのでしょうね...。 
名前:青りんご  2007.01.28 11:10:32
先日1月19日の母の誕生日に椿の鉢植えをプレゼントしました。  
高齢である母親は昔からお花が大好きで家の中にはいつもお花を飾っている母で・・・・まさに  
「団子より花!」そんな訳で毎年とある行事ごとにお花をプレゼントしているのですが、今回はお花屋さんで一番先に目についたのが椿の鉢植えだったのです。  
鉢の中ですっとまっすぐ伸びた枝には可愛いつぼみがびっしりついていて、さぁ~これから沢山きれいな花を咲かせるよ!と私に声を掛けてくれているようで迷わずその鉢を買い求め母にプレゼントしました。勿論喜んでくれ、ベランダの陽の当たる場所に置き毎日その成長を楽しんでいます。そして2日ほど前からひとつづつ咲き始め毎日母と今日は何個咲いたとかつぼみが膨らんできたねなどと朝の会話が始まります。  
ちなみに私が買い求めたのは「花仙山」と言ううすい桃色系の花を咲かせる椿の鉢植えです。  
椿は品種の数も多く花色花形の多さ多様さでは  
他にないそうですが我が家に今咲来始めた小さな可憐な花が毎日元気な朝と少しづつ春を運んでくれそうです。  
名前:Rietty  2007.01.28 07:55:15
PS.「沙羅」は「沙羅双樹」の「沙羅」です。  
葉は、他の椿とは全く似ていないのですが、「白い花」の付き方はやっぱり「つばき科」らしいものです。  
今年は、毛虫さん達が活動を始める前に、昼顔退治を開始します(昼顔も花は可愛いんだけど...)  
7月をお楽しみに♪  
それから「侘助」は、喫茶店<兼>酒房です。  
漢字間違えましたm(..)m  
名前:Rietty  2007.01.28 07:43:17
わぁ~!北鎌の「侘助」を知っているなんて!  
感激だわ♪  
 
6人目に世界の人に辿り着くという話も素敵☆  
ブラピはベーちゃんに先を越されちゃったから、そうね...じゃあ私は、ヒンギスに辿り着いて、テニスを教えてもらおうかなぁ(笑)  
いえいえ、世界じゃなくてもいいわ!  
妻夫木君で手を打つわ☆  
...って考えたら、楽しいね。  
そうそう、「今ね、渋谷でよそ見しながら走っていたら、V6の岡田君と激突しちゃった!」と、この間、娘から興奮気味で電話が掛かってきたの。  
「すみません!」と頭を下げて顔を上げたときに気が付いたらしく、「あ、大丈夫?」と短い会話までしたんだって。  
人は、会うべくして会っていると常々思っているのだけれど、岡田君ともご縁があったのかしらん。  
べーちゃんとは、きっと神奈川時代から3人目くらいで「会うべき人」だったのね♪ 
名前:ベーグル  2007.01.28 00:55:02
北鎌倉の駅の真ん前ですよね。  
何を隠そう、「侘助」という言葉を初めて知ったのがそのお店です。  
北鎌倉散策の際に、1、2度立ち寄ったことがあります。  
 
こんな話、知ってる?  
知人の知人....って辿ってゆくと、6人目で全世界の人に通じてる、って。  
だから例えば私の友人の友人の友人....っていうふうに辿ると、ブラッド・ピットにまで6人目までに辿り着けることになってるんだって。  
Riettyさんと私の間は、きっと6人も必要なかったね。  
 
お庭にある「沙羅」はあのお釈迦様の「沙羅双樹」のこと?白い花をつける?  
夏、おうかがいするのが楽しみです。 
名前:Rietty  2007.01.27 14:35:21
侘助は、「太郎冠者(たろうかじゃ)」という椿の品種から派生したものなのだそうです。  
「侘び」は、茶道のワビ(侘)で「助」はスキ(好)の複合語、また千宗易の下僕の侘助にちなむと、保土ヶ谷公園のHPに書いてありました。  
べーちゃん、保土ヶ谷も懐かしいでしょ?  
 
北鎌倉へは行ったことありますか?  
駅の近くに、「侘助」という”喫茶店件酒房”があります。  
その店の名付け親は、私が敬愛する元上司で、一度連れて行っていただいたことがあります。  
その方は23年前に現役を退き、絵を描く傍ら、横須賀で骨董屋兼カフェを営んでいらっしゃいます。  
 
そうそう、実は「れん」の庭にもつばき科の樹があります。  
「夏椿」と呼ばれる「沙羅」の樹です。  
でもね、なんせジャングルだし昼顔に絡まれちゃって、元気がないの。  
今年こそは、なんとかしてあげないと!  
 
あれ?  
すっかり話しが逸れちゃった...。  
 
名前:ベーグル  2007.01.27 13:18:45
冬の終わりの椿、懐かしいです。  
いつも思うのですが、華やかで女性のイメージがある椿に、一体全体どうして「侘助」なんて名前がつけられているのでしょう?(笑)  

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Rietty
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☆ブログの解説 
日々の暮らしの中で、出会った「いとをかし」な人・動物・物・風景などを綴ります。 
「いと」 
1)非常に。大変。事態が並々でないさま。本当に。  
「をかし(おかし・い)」 
笑いたくなるような面白さがある。滑稽である。普通でなく奇異な感じがする。異常だ。変だ。興味深い。おもしろい。風情がある。情趣がある。優れている。立派だ。ほほえましい魅力的なさま、心をひきつける趣深いさまを表す意。 
(大辞林より抜粋) 
さて今日は、どんな「いとをかし」に出会えるかしら...。 
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