■おじいちゃんとペコちゃん。
時々いらしてくださる、おじいちゃんと孫娘さんというお二人のお客様のお話から始めます。 おじいちゃんと言っても、恐らくまだ60代前半だと思われる男性は、孫娘さんに駄菓子を選ばせている間、カフェルームでお飲物を召し上がります。
そして時には孫娘さんと一緒に。
昨日は、おじいちゃんがレモンスカッシュ。
女の子はカスタードバナナスムージーのご注文でした。
スムージーなのでかなり吸引力を必要とするのですが、その女の子は駄菓子ルームが気になってしょうがないらしく、もの凄い早さで吸い終わってしまいました。
呆れるおじいちゃん。
「おじいちゃんは忙しいんだからな!早く選べよ!」そう言ってはいるのですが、新聞を読みながらゆっくりレモンスカッシュを飲んでいました。
すると女の子は「あっ!」とある物を発見し、スムージーを飲む前にカゴに入れてあった駄菓子を全て棚に戻してしまいました。
代わりにカゴに入ったのは『嵐』のメンバーの写真のカード。
もらったお小遣いの全てを『嵐』のカードに費やしてしまったのです。
その数36枚!
驚くなかれ、『嵐』人気は子供だけでなく大人までと幅広く、入荷するとあっという間に売り切れてしまいます。
問屋さんでも品薄で、たくさん注文をしてもなかなか入って来ません。
その時、ちょうどレモンスカッシュを飲み終えたおじいちゃんは言いました。
「なんだ。そんな嵐なんかすぐ飽きるだろ!」
「飽きないもん!」
「そんなの止めて、おじいちゃんの写真でも持ってなさい!」
これには笑いました。
女の子は白けた顔していましたけどね(笑)
そんなお二人を拝見していて、ふと父と我が娘の姿を思い出しました。
娘が「不二家のペコちゃんに似ている」と言っていた父は、町でペコちゃん人形を見かけると娘の名前を呼んでいたのだそうです。
そして娘には「ペコちゃん♪」と愛称を付けていました。
父は、不器用で何か危なっかしいペコちゃんのことをいつも心配していました。
いじめられたと聞けば、自転車で学校まで迎えに行く。
いじめられている現場を見れば、「いじめているのは誰だ!!」と仁王立ちになる。
それはそれはとても可愛がってくれました。
ありがとね、おじいちゃん。
ところで8月24日にペコちゃん生誕60周年を記念して、リアル“ペコちゃんポコちゃん”を決定する「ペコちゃんスマイルコンテスト」が池袋サンシャイン広場で開催されたそうです。
応募は2000件を超えたとか。
そのニュースを読んで、もし、娘が小さい頃にこのコンテストがあったら、間違いなく父は応募していただろうなあ…と思い、クスッと笑ってしまいました。
おじいちゃんと孫娘。
なんかいいなあ・・・。
私は、父方の祖父も母方の祖父もどちらも知らずに育ちました。
私には持つことが出来なかった思い出を持つ娘がちょっぴり羨ましくなりました。