■春から秋の登山日記第四弾~チセヌプリその1
この間の日曜日は、ニセコのチセヌプリを登ってきました。 今シーズン初めての単独行です。
大好きなニセコの山、今年はどこから登ろうかしら?と、パノラマラインを走りながらもまだ迷っている私。
本当は、アンヌプリから登りたいところですが、テレマークの師匠の情報によると、花にはまだ早いみたい...。
アンヌプリはとても花の種類が多くて、丁度よい時期を選ぶと、道の両脇の花々に迎えられ、本当に幸せな気分で歩くことができるのです。
だから、もう少し時期をずらして登ることにしました。
じゃあイワオヌプリにしようかな...?
あそこは、変化に富んだ登山道を歩けるけれど、初めの階段がちょっとイヤ(^^;)
この日は階段の気分ではありませんでした。
じゃあ白樺山は?
う~ん...新見温泉までが遠いなあ。
長沼からシャクナゲ岳は?
神仙沼へ行く観光客で混んでそう...。
一人をいいことに行き先も決めず、我侭にあれこれ迷っているうち、チセヌプリの駐車場の前まで来てしまいました。
「あら...じゃあチセヌプリにしよ~♪」
と、急ブレーキをかけて駐車場へと入っていきました。
ほんとは、山登りにこんな無計画はバツなんだけれど、素晴らしくお天気が良かったことと、時間も早く気分も良かったから、ついつい行き当たりばったり。
すると駐車場は、冬でも見たこと無いほどの車の数!
「えっ!!すごい登山者!何かイベントでもあるのかな?」
そう思い回りを見回すと、どうもイデタチが違いました。
どうやら、そこにいた車のほとんどは、帰りに人一人分くらいの竹の子を乗せて帰る車達なのでした。
この辺りは、根曲がり竹の竹の子がたくさん採れる場所として知られています。
聞くところに拠ると、この時期に採った竹の子を売った収入で、一年暮らしている方もいるとか...。
皆さん真夏日の気温の中、上下ヤッケに長靴・ほっかむり・というダニ対策に、熊対策と遭難対策のラジオとホイッスル、そして採取した竹の子を入れる大きなリュックを背負って、次々と竹藪の中へと消えていきます。
確かにあの竹の子は美味しい!
皮付きのまま焼いたのなんて、もう最高!
でも...、私には出来ない...。
だって、根曲がり竹に付く毛虫を知っていますか?
あの竹には、中指程もある太くて長い黄土色の毛虫が付くのです。
その中を分け入って行くなんてとても無理。
すごいなあ...皆。
そうそう、そういえば私を超えるとってもテキトーな人がいました。
私の前を一人の女性が、竹の子を探しながら歩いていたのですが、突然後ろを振り返り、私に聞いたのです。
「ここなんていう所?」
「はっ?山の名前ですか?」
「うん。そう。知らないで入ってきちゃったのよ。」
その方も一人歩きの様子。
服装はそれなりの格好だけれど、ラジオはおろか鈴も持っていない。
無謀...。
「チセヌプリです。」
「あっそう。」
そう言うなり、彼女はまた竹の子探しを始めました。
あっそう...って...。
「お気を付けて...」私は心の中でそう言いました。
そしてこの竹の子採りの方達、ちょっと困ったことがあるのです。
登山道を歩いていると、突然バッと竹薮から出て来られる...。
そういう方に限ってラジオを携帯しておらず、びっくり仰天した私は、2・3度悲鳴を上げてしまいました。
お願いだから、「今そっちに出るよ~」とかなんとか声を掛けて下さい。
さて竹の子採りの方たちも、リフトの支柱がなくなるところまで来ると、すっかり居なくなっていました。
そう、今回選んだコースは冬はスキー場になるところで、右側にしばらくリフトの支柱を見ながら登らなくてはいけません。
夏のスキー場は無残です。
私も一人のスキーヤーとして、心が痛む思いでした。
「山の神様ごめんなさい。」
そんな独り言を言いながら、最後の支柱を越えていきました。
~左がシャクナゲ、隣が白樺。
たぶん…ね。
途中、シャクナゲ岳への分岐がありました。
あっちもいいなあ...。
残雪が緑に映えて、とても綺麗♪
天気が良いので直ぐ近くに見え、10歩くらいで登って行けそうな気がしてしまいます。
右手に日本海・積丹の山々を臨みながらドンドン登り、最後は這い松のアーチをくぐって頂上に立ちました。
~手前がアンヌプリ、奥が羊蹄山。
これは間違いなし♪
こちらも、手が届きそうなところにアンヌプリがそびえ立ち、その背後には羊蹄山がどっしりと構えていました。
冬には、リフト降り場から一時間ほど、板にシールを付けて登り、頂上から滑り降りるのですが、同じ場所とは思えない程全く違う風景に、自然の偉大さと有り難さをまた知りました。
「山の神様ありがとう。」
また独り言です。
~奥の雪渓を抱える山は、左から前目国内・目国内・岩内岳だと思うのだけれど…。
詳しい方がいらっしゃいましたら、教えてね。
次に登るのは冬かな?
「山の神様、冬にまた滑らせてください。」
そうお願いしながら、山頂のケルンを後にしました。
種類は少ないのですが、お花も咲いていましたよ。
その写真は、また明日ね...。