■春から秋の登山日記第五弾~鷲別岳(室蘭岳)
今度こそアンヌプリ!と予定していたのですが、ちょっとした事情によりまして、今回は鷲別岳に変更となりました。 9時半にダンパラスキー場の駐車場に着くと、既に20台位の車が停まっていました。
広場ではファミリーが楽しそうに遊び、白樺の木立の中では、キャンプで遅めの朝食を楽しむ若者グループが数組いました。
あー夏なんだなあ...の風情。
そんな様子を横目で見ながら、私はひとり歩き出しました。
あれは何年前だったかしら?
季節はもう少し早かったはず。
お友達と子供達と私の4人で登山を楽しみ、キャンプ場の前まで戻って来たときでした。
一番目線の低い息子が、今まさに脱皮をしようとしているエゾハルゼミを見つけたのです。
「おかあさん!ほら見て!」と呼ばれて駆け寄った3人。
そう4人とも、その光景に釘付けになってしまいました。
4人に代わる代わる「頑張れ!頑張れ!」と声援を受けるセミさん。
ホントはそっとしておいて欲しいですよね。
でも、腹ばいになって声をかけながらそれを見つめる子供達に、セミが殻を脱ぎ捨てるまで見届けさせてあげたいと思いました。
1時間位見ていたでしょうか...、ようやくクシャクシャの羽が出てきました...。
ふとそんなことを思い出し、再び子供達とこの山を登る日は来るのだろうか?...と、ちょっと寂しい気持ちを抱きながら、白鳥ヒュッテを目指しました。
今回は、この白鳥ヒュッテで水を汲むつもりだったので、ザックは軽く足取りも速くなりました。
ん?
前方から人が歩いてきました。
もう下りてきたの?
この後頂上へ着くまで、下りて来る人ばかりで登る人を追い越しも追い越されもしませんでした。
そういえば、さっき登山ポストで入山記録を書いた時、ほとんど全員が私よりもお兄様かお姉様ばかりでした。
私もそうですが、ついつい早起きしちゃうんですよね。
さて、私の取ったコースは、ヒュッテから右へ夏道から登り、山頂からは西尾根を下るルートでした。
途中、カムイヌプリへの分岐がありました。
「ここから入れば二山を縦走できるのね...」と確認しましたが、なんだかパッと見では藪漕ぎがありそう。
毛虫さんの関係上、藪漕ぎはパスなので、「やっぱりカムイヌプリは鉱山町からね♪」などと独り言をいいながら、さらに登って行きました。
この時期は草花の端境期のようで、すっかり花の時期を終えたもの、終わりかけのものが多かったのですが、何種類か写真が撮れましたので、ご紹介しますね。
~ウツボグサです。
この花は、登山口から上のほうまで咲いていましたが、もう終わりかけでした。
薬草としても利用されるようです。
日当たりの良いところのものは、既に花びらを落としていました。
~ヨツバムグラです(たぶんね…)。
見落としてしまいそうな位、目立たない花です。
ひっそりと、でも仲間と一緒に咲いています。
花の色は、白というよりもうす~い緑。
~マルバシモツケです。
頂上に咲いていました。
遠くから見えた時に、一瞬イソツツジかと思いました。
よく似ていますが、丸い輪郭が一回り大きいですね。
「着いた~!」という時に、そこまでの道で会えなかったお花に出迎えられると、疲れも一瞬で吹き飛びます。
~ヤマブキショウマです。
これは今が真っ盛り。
西尾根に咲いていました。
夏の花です。
涼しげですね。
~オトギリソウです。
”なんとかオトギリ”かもしれませんが、”なんとか”は分かりません(^^;)
薬草として知られている”セントジョーンズワート”も、オトギリソウの仲間です。
あと10日位で咲きそうな群落がたくさんありました。
西尾根にあったこれだけは、もう直ぐ咲きそうな蕾を付けていました。
マイヅルソウもハクサンチドリもエゾカンゾウもタニウツギも辛うじて咲いていましたが、だいぶ色あせてしまっていました。
これからは、北国の短い夏を彩る花にバトンタッチです。