■二つの昼顔物語。
先日のオープン前、kikunoさんが植木鉢を抱えてやってきました。 彼女はニコッとして、「買っちゃったぁ♪切花にもなるっていうから、ここにも少し置いていきますね。」と言いました。
植木鉢に植わっていたのは、ちょっと変わった朝顔。
でもちょっと花の感じが違う。
第一、今は昼。
なのに咲いている...。
すると「これ、昼顔なんですって。」とkikunoさん。
「えっ!?昼顔?」
でも私から見れば、どう見ても朝顔。
そう、大好きな朝顔にしか見えません。
だから嬉しくって、kikunoさんが花を切っている間中ニッコニコ♪
でももしこれが、どこから見ても昼顔だったら、顔がピクッとしたかも...。
だって実は、私にとって昼顔は宿敵だったのです。
というのも、庭のジャングル化の原因の一つでもあるからです。
数年前、突如庭に現れたピンクの昼顔。
私は、結構「雑草」と呼ばれる部類の植物も好きなのです。
だから、これも可愛い花が咲くからとそのまま放っておいて楽しんでいました。
けれどもこれが間違いの始まりでした。
存在を認められた昼顔は、見る見る勢力を伸ばし、翌年には何倍にも増えてしまいました。
あら...。
それでもことの重大さに気づかずにいた私。
昼顔は、蔓性の植物です。
必ず何かに絡まります。
ですから、庭にある私が植えた木という木、草花という草花すべてに絡まり始めました。
驚くことにその蔓の重みで、枝がぐにゃっと下に曲がってしまうのです。
ようやく「これは大変!」と気づいた時には、庭が昼顔のピンクで染まっていました。
昼顔を中心に見れば、とっても可愛い。
でも植えられた植物中心に見れば、太い蔓でぐるぐると絡みつき、体を締め付けられるので、宿敵なのです。
私の朝顔好きを知っている東京に住む娘が、「朝顔だよ~!」と昼顔の写メを送ってくるほど、朝顔と昼顔は似ています。
それなのに、朝顔は大好きで昼顔はイヤ...なんて勝手なんだろうと、我ながら思います。
どちらの立場に立つかで、まったくものの見方・感じ方が変わってしまう。
相手が人間でもよくあることです。
朝顔も昼顔も同じ仲間。
あちらから見たら、人間のエゴに呆れていることでしょう。
それはわかってる...。
話は大きくなるけれど、全ての生き物がどちら側から見ても満足のいく共存って難しいなあ...と、二つの昼顔を眺めながら、改めてそんな風に思ってしまいました。
でもやっぱり、自分が植えた植物を守るために、今日も昼顔と格闘します。
さて、kikunoさんからいただいた昼顔。
こちらは園芸用に改良されたものですから、昼顔だけど私にとっては朝顔と同じ扱いになります。
昨日も水を替えながら、「さっき、あなたの仲間を退治してきたの。ごめんね。」と話しかけてしまいました。
とってもとっても優しくて、涼しい色をした花瓶の中の昼顔は、凛とすましてまた新しい花を咲かせていました。
心和む佇まいです。
kikunoさんありがとう\(^^)/~
ところで庭の昼顔。
不思議なことに、今年から蔓も太く葉も大きく変化し、さらにビックリしたことには、花が白く大きくなりますます朝顔に似てきました。
何故?
もしかして、来年は朝顔に変身して私に抜かれまいとするのかもしれません...。