■ど根性八重ちゃんの、たまげたスケジュール2
さて、八重ちゃんが19時過ぎの上野発北斗星に乗り込むまでの、この日のスケジュールはと言うと…。
まずは、タモツさんの「お別れの会」出席。
場所は宿からタクシーで約1000円分の、道灌山という所でした。
急な話で来られるはずがないと思っていた参列者の親戚達は、母が来たことに大層驚いたようでしたが、事情を知ったタモツさんの妹のヨウコさんは、とても喜んでくれました。
ヨウコさんもタモツさん同様、江戸っ子らしい小気味の良いテンポで、ウイットに富んだ話をするのが上手な人でした。
けれども、久しぶりに会った彼女は、腰が曲がりひどく老け込んでしまったように見えたそうです。
兄と妹の二人で暮らしていたので、その寂しさや心細さは計り知れません。
長い読経の後、少し親戚達とお話をして、八重ちゃんは次なる目的地へと急ぎました。
そこは浅草。
ここの主な目的は、駄菓子問屋とおもちゃ問屋へ行くことでした。この問屋は、五年前に八重ちゃんが「飛び込み」で開拓して来た所です。
今ではすっかりお世話になって親しくさせていただき、一年に一度の八重ちゃんの訪問の際は、歓待をしてくださるのです。
だからそれぞれの問屋で、いつも二・三時間は話し込んで来ます。
そして今回は、もう一か所遊びに行ける店を見つけて来ました。
そこは、やはり浅草の喫茶店です。
60歳代半ばのママさんと、すっかり意気投合してしまったらしいのです。
なんでもその方は、毎年スキーをしに北海道にいらっしゃるらしく、今度の冬にはウインザーホテルに泊まって、スキーをしようという計画を立てているのだそうです。
…ということは、ルスツに来るのかな?
冷房の効いたその店で、珈琲とお喋りを楽しんだ八重ちゃん。
その後、先ほどの二軒の問屋周りをしたのでした。
そう、列車の発車時刻ぎりぎり迄、あっちこっちと飛び回っていました。
あーあ…、これならクタクタヘロヘロになって帰って来るのは当たり前。
だから、「今日はもうシャワーを浴びて寝てていいよー」と3回くらい言ったのですが、やっぱり店が気になるらしく、チョロチョロ出て来る…。
どこかへ行けば、休みなく動き回る。
家にいてもジッとしていられない。
筋金入りの貧乏性です。
うーん…。
私の中にも同じ血が流れているのを感じるなぁ…(^^;)