伊達市地域生活情報マガジン『むしゃなび』へ ブログ★むしゃなび トップへ [今日:1] [昨日:0] [802] rss feed
[2007.09.14]
■子供が選んでくれた奇跡
 
今ではすっかり綺麗に治りましたが、娘は生まれた時から学校に上がる位まで、首の付け根辺りに「肥満細胞腫」と呼ばれるものができていました。  
それは、小さい子供の指でOKを作った時の、輪っかほどの大きさで、大人になってVネックの服を着たら、その真ん中にペンダントヘッドのように目立つものでした。  
どうしてこんなものができたのかしら…?  
年頃になったら、可哀想…。  
 


 
そう思い、私はその頃住んでいた栃木県内の大学病院へ連れて行きました。  
授乳時期の娘を抱いて、片道一時間半かけて電車で出掛けて行き、病院でも三時間くらい待たされて、ようやく名前が呼ばれました。  
 
すると、まずインターンのような若い医者に問診を受けました。  
次に隣りの診察室へ行くように言われ、先ほどよりも少し格が上らしき医者に、もう一度同じ話をさせられました。  
その上、また隣りの診察室へ行くように言われたのです。  
思わず、「また同じ説明するんですか?」と問う私に、「次は教授に診ていただきますので」と言うのです。  
この時点で、かなり頭にきている私。  
それでも仕方なくその教授のいる診察室へ入りました。  
すると、そこにいた医者は教授だけではなく、先ほどの二人に加えあと数人の医者がいました。  
「なんなのこれ?」  
そう言いたいのをグッと堪え、私は娘を教授の方に向けて抱いて座りました。  
案の定、同じ説明をさせられたところで、教授が病名を言いました。  
「治療をしたら治りますか?」と問う私に、  
「治るかもしれないし治らないかもしれない。」と答えるや否や、突然カメラを娘に向けたのです。  
「珍しい症例なので、サンプルに写真を撮ります。目鼻には黒帯がかかりますから。」そう言ったのです。  
私の怒りは頂点に達しました。  
クルッと娘を自分の方に向き直させて抱き締め、激怒して撮影を拒否したのです。  
と、突然彼らがドイツ語で喋り出しました。  
悔しくて涙が出ました。  
患者の人権や、心をないがしろにした彼らの態度に、私は十把一絡で大学病院への不信感を抱いてしまいました。  
 
病気であるというだけで、辛い日々を乗り越えながら生きているのに、病気であるが故に受ける数々の理不尽な扱い…。  
強い憤りを感じます。  
世の中には、原因不明の病気を抱えている子供たちがたくさんいます。  
そういう子を持つ親は、みな自分を責めて苦しみます。  
先日いらしたお母さんの息子さんは、ひどいアトピーに苦しめられているのだと話してくれました。  
彼女もやはり「自分のせいで…」と悩んだ時期があったと聞きました。  
でも、息子さんはお母さんに言いました。  
「子供は親を選んで生まれて来るんだよ。僕はお母さんを選んで生まれたんだ。だからお母さんのせいじゃない。」  
彼女は、その言葉に救われました。  
私も涙が溢れました。  
 
親子の出会いは、実は子供が起こしてくれた奇跡だったのですね。  
子供たちに、色々と辛い思いをさせてしまった親として、私も救われた思いがしたのでした。 
▼トラックバック(0)
このエントリへのトラックバックURL:
現在トラックバックの受信を停止中です
▼コメント(2)
名前:Rietty  2007.09.21 19:15:15
こちらも真夏の様な暑さでした。  
こんなの北海道じゃなーい!  
ところでご紹介した息子さん、素敵でしょ?  
羨ましいほどに仲の良い母子です。  
「れん」には、毎日たくさんの子供たちが買い物に来るので、「小子化」の実感はないのですが、とても深刻な問題ですよね。  
私ね、生まれ変わったら、絶対に助産師さんになろうと思うの。  
もう、ジャンジャンとり上げたいわ~☆ 
名前:Mママ  2007.09.21 08:48:41
昨日も最高気温34度で、まだまだ暑い日が続いてます。もう9月も半ばを過ぎたのに思う日々です。  
 
素敵な息子さんですね。お母様の愛情の賜物でしょうか!?  
家の息子も少しアトピー気があります。  
でもそんなに酷くないですが、そのせいかアレルギー性鼻炎、これは私のせいかな?と思ったりしてます。  
 
最近、医師不足の問題で色々な事件が続いてますね。小子化と言われているのに、安心して子供の産めないなんてオカシイ。  
医療に不信感を抱いて、ますます少子化になりそうです! 

▼コメントを書く...
*必須入力です
 「コメント」欄は日本語で記入してください。
 英字数字のみだと、コメントと見なさず投稿できません。
*お名前:
メール:
URL:
*コメント:
プロフィール
Rietty
Rietty
☆ブログの解説 
日々の暮らしの中で、出会った「いとをかし」な人・動物・物・風景などを綴ります。 
「いと」 
1)非常に。大変。事態が並々でないさま。本当に。  
「をかし(おかし・い)」 
笑いたくなるような面白さがある。滑稽である。普通でなく奇異な感じがする。異常だ。変だ。興味深い。おもしろい。風情がある。情趣がある。優れている。立派だ。ほほえましい魅力的なさま、心をひきつける趣深いさまを表す意。 
(大辞林より抜粋) 
さて今日は、どんな「いとをかし」に出会えるかしら...。 
ブログ検索