■「鎮守の森」の元持ち主の娘さん。
「むしゃなび特集」に紹介されている「鎮守の森」。 実は、この森の元持ち主の娘さんは、私の大切なお友達です。
三年前に一大決心をして、壮瞥から東京へ飛び立ったWちゃん。
いつか、「本気になった女性たち」というタイトルのブログの中で紹介したWちゃんです。
一昨日、そのWちゃんから突然電話がありました。
「今日はお店やってるの?」
「えっ!?うん、やってるよ。」
「じゃあ今から行くわ♪」
彼女が東京へ行ってしまってから、一人暮らしをしていたお父さんが体調を悪くしたという連絡を受けて、Wちゃんは急遽帰ってきたのでした。
当時、一人になってしまうお父さんのことが心配で、後ろ髪を引かれる思いを振り切って東京へ行った彼女でしたが、優しいWちゃんのこと、新しい世界に飛び込み、たくさんの苦労をしながらも、お父さんのことはいつも気にかけていたことと思います。
「同じ日本だし、飛行機で来ればあっと言う間。」
そう自分に言い聞かせていたものの、やはりそう簡単に「あっと言う間」に来られる距離ではないことを、今回痛感したと話していました。
それは私にも良く分かります。
子供たちに何かあっても、すぐに飛んで行ってあげられない諸般の事情…。
東京は遠いのです。
遠くで思うしかない現実に、時折、無性に悲しくなるときがあります。
…とまあ、私のことは置いておいて…。
壮瞥久保内の「鎮守の森」
ここはかつて、Wちゃんのお父さんの山でした。
そしてここには、それはそれは美味しい実を付ける栗の木がたくさん生えていたのです。
私は、隔年で豊作に生る栗の実をいつも心待ちにしていて、生り年には、子供たちと連れだって拾わせてもらいに行ったものです。
丹波の栗にも負けない美味しさ!
本当に美味しいんだから☆
Wちゃん家族にとっても大切なこの山。
ある日、この森の現在の持ち主「北海造園」の社長さんが、Wちゃんのお父さんを訪ねて相談を持ちかけました。
「貴重な天然林の存在を多くの人に知ってもらい、大切に大切に守りながら、後世へ伝えていきたい。」という「鎮守の森」構想を熱く語り、「あの山を譲って欲しい」と申し入れたのだそうです。
社長の、真面目で熱い情熱に感動したWちゃん家族は、先祖代々からの山を手放す決心をしたと聞きました。
栗山を手放すと知ったときは、「もう栗拾いができなくなるの?」と、娘と二人残念がりました。
けれども、「こんな構想なんだって!」とWちゃんが「鎮守の森」の計画書を私に見せてくれた時、私もとても嬉しい気持ちになったのを覚えています。
Wちゃん家族は、自分たち家族とごく一部の栗拾い好きの人だけが楽しむ場所であることよりも、あの森が多くの人々の心を癒す安らぎの場になることの方を選んだのです。
「鎮守の森」となってからは、まだ行ったことはないのですが、昨日Wちゃんに久しぶりに会い、あの森の話をするうち、雪が降る前に再び訪れてみようと思いました。
Wちゃんは、昨日東京へ帰りました。
「じゃっ!と手を高く上げて、父と別れて来たよ。」
あんまり、きちんとしんみりと別れを交わすと益々悲しくなってしまうから、さっぱり別れようとした彼女の気持ちが痛いほどに分り、私の方が胸一杯になってしまいました。
Wちゃん、東京へ帰ったらまた頑張るんだよ~!!
私も頑張るよ~☆