「いとをかし」な日々

今回は久々に兵庫県から離れました。 
でもお隣、大阪からお越しのＫ高校女子11名の皆さんです。 
 
Ｋ高校は、デザイン・造形を総合的に学ぶデザイン系5学科と美術科で構成される、全国で唯一の高等学校なのだそうです。 
そして我が6班は、映像デザイン科の皆さんでした。 


なんとなーく大人しそうだなあ…。 
少し不安になった（実は）私は、初めに「体育が苦手、嫌いな人~！」と手を挙げてもらいました。 
もぞもぞっと手を挙げたのは半分以上。 
う~む・・・やっぱりかあ…。 
 
でも運動神経が良くて、普段はスポーツなんでもこなす人が、スキーはどうもだめ・・・という人が意外に多いのを知っている私は、すぐに気を取り直しました。 
「大丈夫！今まで二日間やって滑れなかった人はいないから！ちゃーんと滑れるようになるよ♪」 
皆のほっとした笑顔が見れました。 
始めてみると、どの子も皆おっかなびっくりで、微塵の余裕もない。 
全身で恐怖感を表現していました。 
う~ん、でもスキー操作自体はそう悪くないわ。 
「うん！大丈夫！」今度は私自身に言い聞かせました。 
 
レッスンが進むうち、ゆっくりじわじわ少しずつ少しずつ彼女たちの上達が見えてきました。 
芸術・技術系の彼女たち、一つ一つの段階をコツコツ登って行くタイプなのでしょう。 
そして最後の一本は、スピードこそなかったけれどとても安全確実に、見事に長いコースを滑りきったのです。 
 
では、そんなスポーツが苦手な頑張り屋さんたちをご紹介しますね。 
 
 
ランチ風景です。 
右後ろに担任の先生も！ 
ぜ~んぜん気付かなかった。 
 
 
A.Yさん。 
放送部所属です。 
とっても明るい彼女のスピーカーから聞こえるおしゃべり、きっと楽しいでしょうね♪ 
ゴンドラの揺れを喜び、今は休業中のジェットコースターに歓喜した顔が忘れられません。 
初心者でしたが、安定感のある滑りを見せてくれました。 
 
I.Kさん。 
放送部所属です。 
一見、大人しげですがしゃべり出したら放送部らしく止まる気配がありません(笑) 
二日目は暖かでしたが、なが~いマフラーをくるくる巻いて必死で滑って、汗だくだったのではないかしら？ 
両膝を付ける”小鹿ちゃん”スタイルがなかなか直らなかったのですが、最終日の最後の1本で危なげない滑りに変わりました。 
 
O.Mさん。 
元美術部です。 
絵が得意なのだそうです。 
絵の上手な人って尊敬してしまいます。 
私なんて見た通りに描けないもの。 
ず~っと怖がりながら滑っていた彼女。 
なんとか克服してほしくて、手を替え品を替えして励ましていたのですが、ついに変身しました。 
最後の1本はフォームも綺麗に滑り下りてきました。 
 
K.Mさん。 
バレー部マネージャーで、６班の班長さんです。 
彼女にはマネージャーも班長も適職です。 
ほんとしっかり者☆ 
私のアシスタント的にみんなをまとめてくれる、とても頼りになる存在でした。 
そんな姿と裏腹に、スキーではちょっと怖がり屋さん。 
やっぱり”小鹿ちゃん”スタイルからなかなか抜け出せませんでした。 
でも、同じく最後の１本で変~身~！ 
 
K.Mさん。 
写真部所属です。 
物静かな彼女は、風景写真を撮るのが好きなのだそうです。 
美瑛の写真甲子園も知っていました。 
トレインをしながら滑っていても、彼女の意に反してあらぬ方向へ行ってしまうことが多かったのですが、少しずつづ少しずつ軌道が変わってきました。 
歯を食いしばりながら頑張っていた姿に、みんなも励まされたはずです。 
 
S.Yさん。 
吹奏楽部でホルンを吹いています。 
いいですねえ、金管楽器は大好きです。 
青い縁の眼鏡がトレードマークの彼女、初めの階段登行の時はかなり心配しましたが、滑り出したらガラッと変わりました。 
体重移動もスムースに、スキー操作も上手にできるようになりました。 
 
S.Nさん。 
バスケット部マネージャーです。 
彼女の場合、世話役というよりも激飛ばし役かな。 
浪速っ子元気娘って感じ♪ 
将来、明るくて元気で楽しい”大阪のおかあちゃん”になりそうなタイプ☆ 
「膝が曲がらん！かかとが開かん！」と叫んでばかりいましたが、そこは度胸でカバーしてスピーディーで軽快な滑りをみせてくれました。 
 
S.Kさん。 
吹奏楽部でサックスを吹いています。 
またまた金管楽器、いいですねえ。 
JAZZナンバーを一曲聴かせてほしいわあ。 
「スキーは初めてだったわよね？」 
そう聞き直してしまうほど、初めから落ち着いていた彼女。 
どの操作も、慌てることなくこなしていました。 
常に安定したスピードで丁寧に滑ってくれました。 
 
M.Mさん。 
元テニス部です。 
中学校のスキー学習で少し経験のある彼女でした。 
大人しさで言ったら一番かな？ 
滑らなければ、６班では目立たない存在だったかもしれません。 
でも、滑ったら光りました。 
とっても綺麗なプルークボーゲンを見せてくれました。 
 
M.Yさん。 
演劇部所属です。 
ホテルでの夜の交流会の時に、クラスの出し物で”森のくまさん”の熊役を演じたのだそうです。 
う~ん、確かにテディーベアっぽいかも。 
どんな演技をしたのか見てみたかったわあ。 
本人は「封印したい」と言っていました。 
スキーの方は、１本毎にゆっくりと上手になっていきました。 
最後の１本の滑りは、いい演技でしたよ。 
 
Y.Aさん。 
アニメ制作研究部所属です。 
ここの高校のアニメ部は、とても有名なのだとか。 
私は宮崎駿作品が好きだけれど、アニメ部ではどんな作品を作っているのかな？ 
彼女は、中学校の時にスキーを経験していました。 
だから、出足は快調な滑り出しでした。 
途中ちょっと調子を落としましたが、締めくくりの１本では本来の調子に戻って、きれいな滑りを見せてくれました。 
 
 
 
 
以上１１名。 
運動部ゼロでスポーツは苦手と手を挙げた彼女たちでしたが、最後はきちんとコントロールされた滑りで、見事に頂上付近から降りてきたのです。 
「スポーツは苦手。でもスキーは大好き！」 
そうなってくれたらいいなあ…と思いながら、みんなとお別れをしました。