「いとをかし」な日々

昨日は息子の大学の卒業式でした。 
 
まだ小学生だった息子が中学受験を決意し、伊達を離れてもう10年以上も経ってしまいました。 
当時、私は会計事務所に勤めていたので、最も忙しい時期に行われる小・中・の卒業式には一度も参列したことがないのです。 
高校のときも何かと重なり行けませんでした。 


なんてひどい母親…。 
だからせめて大学の卒業式には行きたいと思い、そう息子に伝えたところ、「俺、行かないよ。」との答え。 
ようやく行けるようになったと思ったら…。 
でも結局、入院をしてしまったので、いずれにしても行けなかった訳ですが…。 
 
たったの12年間しか一緒に暮らせず、いつの間にか大人になってしまった息子。 
4月からはいよいよ社会人です。 
内定取り消しの話題が取り沙汰される中、次は息子の会社かも…？ 
とヒヤヒヤしていましたが、幸いそれは免れました。 
 
社会に出れば、たくさんの苦難がてぐすね引いて待ち受けていることと思います。 
でも彼なら、それらを乗り越え、それらを糧にして、さらに逞しい大人になることができるだろうと、親バカだけど、そんな風に思っています。 
 
気になることがあると、何度となくメールをするのですが、年に数度程しか返信をくれません。 
入院が決まった二月半ば、一応知らせておこうとメールをしました。 
けれどもやはり返信はありませんでした。 
「まだ返信来ないの？」と気遣ってくれる優しい"達人2号"に、「離れているし、男の子なんてこんなものよ。」と強がって見せても、泣けてくるほど寂しかった。 
けれども、そう思って諦めるしかありませんでした。 
 
ところが手術の前日、病室に置いた携帯に突然メールが入りました。 
驚いたことに息子からでした。 
返信が遅くなったことを詫びる言葉に始まった優しい文章についホロリ。 
「良かったね。」と"達人2号"。 
「うん。」と私。 
手術への緊張が解れた一瞬でした。 
 
ついこの間まで、「まったく！男の子なんてつまらない！」「薄情なんだから！」「私のことなんて知ったことかってこと？」「でも寂しい…」と、毒舌独り言爆裂だったくせにケロリと機嫌も治り、やっぱり優しい子ね☆とか思うのだから、ほんと親ってばかですね。 
っていうか、私がばかなのか…？ 
 
まあ、親の感傷を他所に、きっと息子は昨夜は卒コンかなにかで渋谷・新宿辺りを飲み歩き、今日は宿酔いで潰れていることでしょう。 
そんなもんですね。 
そうでなくては困りますし。 
 
小学生の頃のままで止まってしまった息子への思いを、母の私もいよいよ卒業する時です。 
これまで、遠くても支えてあげていたつもりでいたけれど、遠いのに支えてもらっていたのは、実は私の方だったのかもしれない。 
心配をかけることが多かったのも、もしかしたら私の方だったのかもしれない。 
昨日松葉杖をお返しし、再び自分の脚で立った時、その事に気付きました。 
 
昨日は息子と私の卒業式でした。 
 
 
スーパー照れ屋で写真嫌いな息子が見せた、珍しいピース写真。 
2年くらい前のものですが、あるところから拝借してきました。 
3歳から続けてきたアルペン競技。 
先日の岩岳の大会で、ひとまず一区切り付けたようです。 
これからは、またスタイルを変えて続けて行くのでしょう。 
よし！ 
母だって負けない！！