■海の中
プロフィールにあるように、瀬戸内海の島で生まれた私は、○○年間の内3年間を除いては、いつも海まで5分の所に住んでいました。
だから海は大好き。
本場の湘南は、サーフィンのメッカだけあり、海水浴場であっても、子どもの背丈の2.5倍はありそうな大きな波が来ます。
今思えば、八重ちゃんはよくもあんな危ない海に、子どもだけで泳ぎに行かせたものだと、その度胸に驚いてしまうのですが、夏は大雨でも降らない限り、毎日海へ遊びに行っていました。
大きな波に合わせて海に潜り、波に揉みくちゃにされながら、息の続く限り海底にいる小さな貝や魚を観察し、また上がっては潜る・時々泳ぐ、そんなことを繰り返しながら、お腹がすくまで遊んでいたのです。
確か小学校4年生のある夏の日、いつものように泳いでいたら、キラキラと光る妙な波がやってきました。
「あっ!」と気付いた時には、そのキラキラに取り囲まれていました。
とっさに潜って海面を見上げたら、やっぱりそうでした。
イワシの大群だったのです。
太陽の光線を反射して、青白く光るその様たるや、それはそれは美しかったのです。
私はあまりにも驚いて、慌てて海中に潜ったので、鼻から口からゴクゴク塩水を飲んでしまい、その通路の痛さで辛かったのですが、それをはるかに上回る感動で、夢の中にいるようでした。
その日以来ずっと、「もっと海の中を見てみたい」と思いながら、大人になってしまいました。
そして、6年ほど前にようやく念願かなって、スキューバダイビングをすることができたのです。
その時お世話になったのが、二年前の台風で壊滅してしまった、神恵内のダイビングパーク大森です。
先日近くを通ったら、近隣のあちこちでは、防災対策の工事が盛んに行われていました。
その後、私は訳あってスキューバダイビングを止めたのですが、昨日、そのダイビングパークで、私にPADIのオープンウォーターを取得させてくれた、インストラクターのWさんが、ひょっこりと珈琲を飲みにやってきました。
彼もまた、あの日以来ダイビングはしていないと言いました。
私は、Wさんと色々話すうちに、迷っていたダイビング機材を手放すことを、ついに決心しました。
海への憧れは止まないけれど、その気になればシュノーケリングだって、素潜りだって、なんなら伊勢に戻って海女になったって(?)いいしね。