■裏技満載窓際カーテンの顛末
写真のカーテンは、道路側の窓を飾った初代のものです。 私がちくちくと手縫いで作ったものですが、使われている布はかなりの年代物です。
着物地は、こういう物を作るのにとっても便利。
だって、丁度いい幅で耳もあるから、上下だけ縫えばいいんだもの。
それなのに...縫い始めたら、何しろ100年物のうす~い生地(祖母の婚礼時の白無垢の羽二重です)、少し力を入れただけで織り目が裂けてしまうのです。
力もそそっかしさも不器用さもいい加減さも兼ね備えた万能選手の私は、か~んたんにちゃちゃっと出来るはずのカーテンに、悪戦苦闘する羽目になりました。
とにかく直ぐに裂けてしまうので、布はどんどん短くなるばかり。
そこで、継ぎ足す・裂け目をアップリケの要領で隠す・長さをランダムにする。
という、いい加減的能力の極意を発揮して作ったら、こ~んな感じに出来上がったのです。
出来上がって窓辺に飾ると、まあいい感じ。
よしよし、OK!
許容範囲♪
ところが、そんな裏話をご存じないお客様達が、随分とこのカーテンを褒めてくださったのです。
”結果的にこうなっちゃいましたー”の物なのに...。
嬉しいけれど、めっちゃ恥ずかしい...。
そんな気持ちでした。
一番困ったのが、縫い物好きなご婦人が、「あら素敵ね」と言いながら、カーテンを手に取り、生地と縫い目をチェックすること...。
だって、縫い目は大きいし、穴ははぎれで隠してあるし、所々ボンドまで使っているし...。
「お願いですから裏は見ないで~」と叫びたいのを押さえて、一生懸命に説明(言い訳)をしたりしました。
そしてこのカーテンは、一年半ほど頑張ってくれたのですが、強い西日と皆さんのチェックと洗濯に耐え切れなくなり、ついにボロボロとなって、二代目へとバトンタッチをしたのです。
二代目も、初代の物と同じ理由でそろそろ危ないです...。
裾辺りのピンクの生地は、私が子どもの頃、浴衣に締めていた三尺の帯です。
土台の生地は、母の着物の裏地です。
こちらも大分うす~くなっているので、やはりボロ隠しの芸を発揮しました♪
丸いアップリケはヨーヨーキルトの応用で、もちろん穴隠し。
それなのに、「可愛いわねー」と言いながら、やっぱり裏を返す方がいらっしゃる...。
だから私は、あちゃ~...と、例の如く言い訳をしなければいけないのです。
そしてお客様は、元に戻しながら「味があるわねー」と微妙な褒め方をしてくださるのです。
つまり、触れられて焦らないためには、簡単には穴の開かない生地を使えばいいのですよね。
と言うわけで、先日、三代目用の生地を買ってきました。
レトロな生地だけれど、売られていた物だから状態は良いです。
うん。これなら大丈夫だわ♪
でも、ちょっと待って...。
生地に問題がないということは、裏技万能選手の私としては、才能を発揮できないということね...。
というより、本来の縫い物の技を要求されるということね...。
あらら...どうしましょ。
春には、三代目をお披露目する予定です。
はてさて、どんなのが出来るのかな♪