■動くお城に乗って。
「天井にキラキラのシャンデリアが付いていて、すごく豪華で、お城みたいな大きなお船だったよ!!」 「そう、良かったわね。お母さんも乗りたいな。」
小学校の遠足から、興奮気味に帰って来た子供たちの報告を受けてから、いったい何年経ったのかしら?
私もいつか、そのお城に乗ってあの島へ行ってみたいな・・・。
そう思っていました。
はい。
これが動くお城。
お城の中はこんな感じでした。
シャンデリアのあるエスポワール船内です。
子供たちをあんなに感動させてくれてありがと。
私も小学生気分でワクワクです。
ずっとずっと洞爺湖畔から見える中島へ行きたいと思っていたのです。
あの島は、どんなところなんだろう?
鹿がたくさんいると聞いているけれど、他にもどんな鳥や動物がいるのかな?
花もたくさん咲いているのかな?
いっぱい歩いて探検したいな。
船内では、湖と島の観光案内放送が掛かっています。
洞爺湖は、周囲46km・面積69.4平方キロメートル・最大深度179.7m・水面の海抜高度84m。
中央に位置する饅頭島・弁天島・観音島・大島の4島は全てカルデラの溶岩円頂丘であり、大島にはたくさんのエゾシカが生息しているのだそうです。
いつもは洞爺湖の湖岸の道路から見ていた風景も、目線が変わるととても新鮮に映ります。
次々と全容を現す4つの島を、船の上から楽しむことができました。
ほどなくして大島の桟橋に着きました。
真っ先に目に飛び込んできたのは、動物園のような背の高い柵で囲われた大きな檻です。
中を覗くと鹿がたくさんいました。
鹿が桟橋の方に来ないようにしているのでしょうか?
コースは1時間コース・2時間コース・3時間コースとあり、時間と体力に合わせて選ぶことができます。
今回は時間があまりなかったので、2時間コースを選びました。
早速、森林博物館で入山届を書き、森の中へと入って行こうとしたのですが・・・。
道がさっぱり分かりません。
辺りを見回すと、柵のドアに「入山入口」と書かれていました。
動物園の檻の中へ入って行くような、妙な感覚に捉われながら、恐る恐るドアを開けると、鹿達が一斉にこちらを見ました。
島の中の道はチップ材を敷いて綺麗に整備されていますが、その行く手のど真ん中に立ちはだかる牡鹿。
「何にもしないからちょっとどいて~!」
そう優しく言いながら近づいて行くと、ピョ~ンと跳ねて逃げて行きました。
下を見ればあちこちがコロコロの糞だらけ・・・。
ありゃりゃ(~_~;)
ま。
いいか。
道は歩きやすく、案内板も分かりやすくたくさん立っているので、迷うことなく簡単に歩くことができます。
原始の森はシーンと静かで、足元には一面フッキソウの白い実が生っています。
途中、こんなものを発見。
いったい何?これ?
「大平原」と呼ばれる所にも”蝿帳”のようなものがたくさん置かれていました。
いったい何?あれ?
さて、最初の目的地”アカエゾ松の巨木”のところまで来ました。
400年間もの間、大島を見守って来た巨木は、2004年の台風で根こそぎ倒れてしまいました。
今は痛々しく横たわっています。
片道1時間コースはここまででしたが、少し足を延ばして対岸まで行ってみました。
ここから湖畔まではチップ材が敷かれていません。
あ~楽しかった♪
長年の夢を叶えてもらい、楽しい中島探検は終わりました。
「今度は3時間コースを歩いてみたいね♪」
帰りのお城の中でそんな話をしました。