「いとをかし」な日々

ホント参りました。 
どーなることかと思いました。 
 
いつまでたっても出られない羽田空港敷地。 
グルグル回って、何度振り出しに戻った事か・・・。 


旅立ち前に、いろんなブログで事前調査をしたはずなのにね。 
 
羽田に着いたら雨の気配。 
 
 
 
到着ロビーで合羽を着込み、自転車を組み立て、ザックのベルトをギュッと締め、「いざ出陣！」と出口を出たまでは我ながら結構イケてたはず。 
 
 
 
が・・・。 
「あれ？　どこ？　どっち？」 
頭の中の地図と風景が噛み合わない。 
平面の地図と立体的な風景が噛み合わない。 
全然ダメ、さっぱり分からない。 
残念ながら、二人とも地図が苦手でした。 
そこで空港で働く皆さんに尋ねました。 
 
「自転車でモノレールの下を走りたいんですけれど、どちらへ行けばいいですか？」 
 
当然ながら、皆さん一様に驚きます。 
そして、皆さん公共交通機関を利用されているので、毎日そこにいるのに意外と知らないのです。 
な~んだ、そんなら私達が分からなくっても当たり前ね♪ 
いらぬ自信が湧く二人。 
それでも親切に教えてくれましたよ。 
それなのに・・・。 
尋ねること6人。 
教えてくれる道案内に、何故かオリジナルの注釈を加える影むしゃ。 
車がビュンビュン走る環状8号線を何度も逆走したり、何度も横切ったり、何度も同じ道を行ったり来たり・・・。 
結局、すぐそこのモノレールの下まで脱出するのに要した時間は一時間。 
お陰で、すっかり空港敷地内を堪能させられてしまいましたよ(-_-;) 
でもまあ、スリル満点でした。 
でもまあ、一度の経験で満足です・・・はい。 
 
多摩川を左手に、大きな工事現場を右手に、上には高架の線路、もちろん歩く人などいない殺伐とした景色の中を走っていると、無事に脱出できた達成感(?)で一杯☆ 
傍から見れば、「なんじゃ！？あの二人！？」といった光景でも、当の二人の会話は「やったね！！」だからノウテンキなもんです。 
 
安心してガンガン走っていると、大きな鳥居が見えてきました。 
羽田・平和の大鳥居です。 
この鳥居には「平和」の額が掲げられていました。 
被写体にカメラを向けると、必ず入り込んでくる影むしゃ。 
この後の話に繋がりにくくなるけれど、この1枚しかないので・・・。 
 
 
当時この辺りに住んでいた住民は、東京大空襲で家を焼かれ、終戦直後には、羽田を占領した米軍に３，０００人もが追い立てられたのだそうです。 
この鳥居の「平和」の額は、生活と生産の場を奪われた住民の悲しく苦しい歴史を絶対に忘れないようにと作られ、ボランティアの方たちが鳥居とともに守ってきたとありました。 
鳥居に「平和」の額を掲げたところは、日本には二か所しかないのだそうです。 
もう一か所はどこかしら？ 
 
羽田空港には何度も降り立っているのに、初めてこの大鳥居の存在を知りました。 
戦後の急速な経済成長の陰には、こうして必ず泣いていた方々がいらっしゃるのですね。 
かつて闇市でアサリを売り、日銭を得るための恵の海でもあった羽田の前浜。 
この海は、もうその頃に戻ることはないのでしょうね。 
「仕方ないこと」では片付けられない切ない話でした。 
 
さて、ちびチャリ爆走はこれからが本番です。 
この後、二台はどこへ向かうのやら・・・？ 
 
つづく。